神戸学院大学

被災地に届ける4000キロ先からの思い

2011/11/08

インドネシアの人々からの贈り物を東北の被災地の方々に届けるユニット生
インドネシアの人々からの贈り物を東北の被災地の方々に届けるユニット生

学際教育機構防災・社会貢献ユニット生が8月30日~9月6日の8日間、海外実習Ⅱの授業でインドネシアのジリセカール村を訪れました。

実習の目的はインドネシアの農村に住む人々の生活を体験し、さらにインタビューなどを行い、その中から興味のある項目を調べて報告するというものです。学生たちは日本から遠く離れた地で慣れない生活環境、限られた日数の中でそれぞれが真剣に実習に取り組みました。

そんな中、最終日に村人へ感謝を伝える送別会の時に、逆に村人から激励の贈り物を頂くという思いがけないサプライズが待っていました。贈り物は東日本大震災の被災者に向けてのメッセージが書かれたカードと帯でした。インドネシアに住む彼らは、2004年のスマトラ島沖地震で被災し津波と地震の恐ろしさ、そしてそこから復興することの難しさを、身を持って知っています。だからこそ、彼らなりの心配りであると感じました。

メッセージの一部には「ゴトンロヨン」と書かれていました。「ゴトンロヨン」とはお互いに助け合う慣習を意味したインドネシアの言葉で、復興の時、力を発揮したのはこの「ゴトンロヨン」の精神でした。貧しいながらも協力し合い災害から復興してきたジリセカール村で、人と人が助け合う事の大切さを教えてもらいました。村の組合長は「我々にはこのような質素な贈り物しかできない。しかし、私たちのできる精一杯の思いをぜひ受け取ってほしい」と言われました。「この思いをぜひ被災地へ届けたい。届けなければいけない」と強く思いました。帰国後、すぐに大学からボランティアに向かうバスに乗り被災地を訪問、彼らの思いを届けました。

被災地の人は「インドネシアという遠い国の農村に住む人々が、限られた情報しか得る事の出来ない中で我々のことを知り、気にかけ、このような贈り物をしてくれたことは本当にうれしい。ありがとう」という感謝の言葉を述べました。

ジリセカール村との交流は今回で4回目になります。彼らが日常から日本という国を気にかけ、震災の事を知り、私たちにその思いを託してくれました。思いがけない形で被災地に支援を行う事ができました。本当にありがたい事であり、今後もこの関係を大切にしていきたいと感じました。