IPE

Episode5

IPE専門職連携教育 保健医療福祉分野の学生がチーム医療を実践的に学修

専門とする分野によって異なる視点。
患者さんの目線を最優先にしつつ
互いの意見を尊重する大切さを学んだ。

濵野 恭子さん 薬学部 薬学科 4年次生 ※2022年度取材時

IPEとは

専門職連携教育(Interprofessional Education)の略。神戸学院大学の薬学部、栄養学部、総合リハビリテーション学部、心理学部の4学部に神戸市看護大学看護学部を加えた、保健医療福祉分野にかかわる学部の学生が、分野を越えてチーム医療を実践的に学修。患者・家族・利用者・地域中心のケアやサービスを向上させるべく学び合い、互いの理解を深めています。

1年次に受講したIPEの授業で他学部の学生と関わり、各専門領域による視点の違いを知った濵野さん。3年次には医師と在宅医療の現場を巡り、チーム医療の重要性を再認識する。学びのまとめでも他学部の学生の意見から気づきを得たことで、広い視野で患者さんに寄り添える薬剤師へと近づいた。

薬学以外の視点を知ったことで、
チーム医療の重要性を実感できた。

IPEの授業を初めて受講したのは1年次の後期。病気を経験された地域の方に体験談を伺い、その症例をもとに、薬学、栄養、リハビリ、心理、看護を学ぶ学生たちが意見を出し合うというものだった。どんな薬がどう作用したのかが一番の関心事だった私たちに対し、治療中の食事、術後の生活動作、精神面の変化など、それぞれの専門領域によって気になる部分が全く違った。一人の患者さんを支援するためには、多角的な視点が必要。チーム医療の重要性を実感できるプログラムだった。

薬学以外の視点を知ったことで、チーム医療の重要性を実感できた。

在宅医療の現場で気づいたのは、
患者さんを支えるチームの大切さ。

3年次の後期に受けたIPEの授業では、在宅医療に携わる医師に付き添い、患者さんのご自宅を訪問。在宅に切り替えることで症状の改善が見られるなど、プラスの面も多いことを初めて知った。懸念していたご家族の負担などのマイナス面は、福祉や介護の専門スタッフと力を合わせる地域医療でカバーすることが不可欠だとわかった。治療をどう進めていくかは、ご本人の思いが最も重要。それを実践するには、各専門職の意見を集約することが大切だと医師から学び、進むべきチーム医療の姿が見えてきた。

在宅医療の現場で気づいたのは、患者さんを支えるチームの大切さ。

薬剤師が担うべき役割を意識して
一人ひとりに寄り添える医療人に。

お互いが見聞きしてきたことを他学部の学生とまとめる際にも、相手の意見に気づかされることが多くあった。一方で、薬剤師を目指す自分にしか見えていなかった部分もある。新たな知見を得たことで、薬学部の実習でも、個々の患者さんに今必要なことは何かを俯瞰できるようになっていた。来年度は病院や薬局での実務実習に参加する。その前に、チーム医療において薬剤師が担うべき役割を意識できるようになったことは大きい。これからも学びを深め、一人ひとりに寄り添える医療人を目指す。

PROFILE

濵野 恭子さん

濵野 恭子さん薬学部 薬学科 4年次生 ※2022年度取材時

受験期の急な体調不良で病院へ行った際、不安な私に寄り添ってアドバイスをもらえたことで、知識を生かして誰かに寄り添える薬剤師が目標に。患者さんに納得してもらえる服薬指導が治療には欠かせないことを学び、対人力を磨くことにも力を入れている。