法学部 法律討論会

Episode1

法学部 法律討論会法律問題の事例に対する立論と質疑応答

ただ、覚えればいいわけじゃない。
仲間と一緒に磨き上げたのは、どこまでも突き詰めて考え抜く力。

竹田 脩汰さん法学部 法律学科 3年次生※2022年度取材時

法学部 法律討論会とは

法学者である教員が作成した問題に対し、民法を専攻するゼミを中心としたチームが、約1カ月間かけて立論と呼ばれる解答を作成。年に1回の開催当日、神戸学院大学内の会場でチームの代表者が発表し、参加者からの質疑に応答する討論会です。論理的思考力はもちろん、プレゼンテーション力やディベート力も鍛えられ、確かな自信につながります。

オープンキャンパスで受けた、小松昭人教授による民法の模擬授業に魅了され、神戸学院大学に進学した竹田脩汰さん。2年次に開催された「第21回神戸学院大学法学部法律討論会」では小松ゼミの討論代表者として発表。上級生チームも参加するなか、見事、優勝に輝いた。

学ぶ楽しさを教えてくれたゼミで
討論の面白さにものめり込んだ。

破れば罰せられる。その明快さから刑法に惹かれた一方で、民法は理解できなかった。だけど事例問題に当てはめたらわかりやすい。コンビニでの買い物ですら売買契約の締結になるなど、その身近さにも興味をそそられ小松ゼミへ。授業では、先生から出された事例問題の解答を考え、班でまとめて発表し、質疑応答を繰り返す。活発な意見交換が面白く、2年次の冬に行われる「法学部法律討論会」には、みんなが前のめりで参加することに。僕は討論代表者3名のうちの一人に選ばれた。

学ぶ楽しさを教えてくれたゼミで討論の面白さにものめり込んだ。

完璧だと思えていた論理が破綻。
一人なら決して気づけなかった。

討論会で扱う問題の争点は、未成年である息子所有の土地を担保に、息子名義で父親が受けた事業融資の返済義務が息子にあるかどうか。その契約は無効だという結論は明確だったものの、根拠を示すのが難しい。みんなで図書館にこもって文献をかき集め、参考になりそうな学説や判例が見つかればひたすら読み込んだ。意見を持ち寄り、ようやく大筋が決まった頃、一人の学生が口にした小さな疑問で、組み上げてきた論理が破綻すると判明。再構築するべく、みんなで徹底的に話し合った。

完璧だと思えていた論理が破綻。一人なら決して気づけなかった。

仲間たちの鋭い質問で鍛えられた
返答力が、討論会でも発揮できた。

苦労の末、着地点を見つけたあとは、予想される質問をみんなで洗い出し、開催直前まで答えを考えていく。迎えた2021年12月、討論会当日。ゼミ内で模擬討論を繰り返していたおかげで、質疑応答にも堂々と臨めた。親の権利が過大な現行の民法や判例は、今の時代にそぐわない。疑問を投げかけた部分も評価され、見事、優勝。ゼミ一丸となって突き詰めた結果だった。重要なのは暗記力じゃない。一連の経験を通じて、物事を深く理解し、考え抜いて意見を述べられる自分に、気づけばなっていた。

PROFILE

竹田 脩汰さん

竹田 脩汰さん 法学部 法律学科 3年次生 ※2022年度取材時

16人からなる小松ゼミのゼミ長。討論の経験を重ねることで、他人の意見に対し、なぜその結論に至ったかを知ろうとする姿勢も身についたという。討論会を経て、今後は子供の権利に親権がどこまで及ぶのかを掘り下げたいとのこと。