「地域と繫がる大学 震災から何を学んだか」を新書で出版しました
2020/03/26
阪神・淡路大震災から25年の節目に当たって、神戸学院大学の取り組みをまとめた「地域と繫がる大学 震災から何を学んだか」(中公新書ラクレ)が出版されました。
「地域と繫(つな)がる」の原点は1995年の阪神・淡路大震災。震源地に最も近い総合大学として「地域への貢献」「地域との共生」を最も重視してきました。建学の地・有瀬(神戸市西区)、神戸の中心に近いポートアイランドの両キャンパスを軸に新設の神戸三宮サテライトも加え、学生数1万人を超える大学として地域と関わり続けた歩みと現状を描きました。「地域」とは大学周辺だけではなく、被災地や開発途上国など広い範囲の地域と住民を対象にしています。
第一章「阪神・淡路大震災の体験を繫ぐ」では、防災・減災の備えや助け合い、コミュニティづくりの課題などを学び、社会貢献の担い手を育てるため2014年に開設した現代社会学部社会防災学科について紹介。同学科の女子学生を中心につくる「防災女子」の活発な活動ぶりについても、「災害食」のレシピの紹介に取り組む事例などを挙げて詳しく書きました。
第二章は「ボランティアで人と人を繫ぐ」。ボランティア活動支援室を拠点に全学を挙げて被災地支援、開発途上国支援などに取り組んでいることを伝えました。教育効果を裏付ける学生へのアンケート調査の結果と分析も掲載しています。
第三章「社会と繫がる大学教育」では産学官の連携プロジェクトの実例を豊富に紹介。第四章「世界を繫ぐグローバルな人材育成」はグローバル・コミュニケーション学部を中心に外国語とコミュニケーション能力の向上に用意しているプログラムの多様さを詳述しました。第五章「やさしい心を繫ぐ」では、「危険信号」が出た時点から大学中退者(離学者)を大学組織でフォローする「学生の未来センター」の取り組みを紹介しました。
執筆のアンカーとなった佐藤雅美学長は「あとがき」で、オープンキャンパスを主体的に運営する学生団体、同窓会や教育後援会(保護者会)など大学が大切にしている組織に触れ、「学生の成長を支えるのが教職員の任務」だと締めくくっています。神戸学院大学著。192ページ、880円(税別)。