神戸学院大学

学長式辞

2025/04/02

本日、入学式に集われた新入生の皆さん、ようこそ神戸学院大学へ。
神戸学院大学を代表して、皆さんの入学を心から歓迎し、お祝いを申し上げます。

同時に、新入生のご家族、保護者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。
この2025年度入学式を挙行できますことは、大学関係者にとりましてこの上ない喜びでございます。ご協力いただきました皆様にも、深くお礼申し上げます。

さて、新入生の皆さん、皆さんは新しい大学生活、大学院生活に大きな期待をいだき、将来への夢と希望をもって今日の日に臨まれていると思います。
同時に、今までとは違う環境に戸惑いや不安を感じているかもしれません。
でも大丈夫です。そんなものはあっという間に消えて一層大きな夢と希望を手に入れることができます。
ただ、そのためには、皆さん自身が少し勇気を出して行動を起こすことが必要です。

皆さんは「がんばらない」という本をご存じですか。鎌田實さんという医師が2000年に著されたものですが、この書籍がベストセラーになり「がんばらない」という言葉が流行語になり、世の中に「がんばらない」ことが単純に良いことのようなムードが生まれました。この時、実際に本を読んだ私はこのムードに大きな違和感を覚えました。
皆さんはその理由を想像することはできますか。

実はこの本には、さまざまな病気を抱えながら、その患者さん自身が、自らの選択にしたがって、今を生きることに頑張って頑張って頑張っている姿が描かれています。
患者さんの傍らに医師として寄り添う鎌田先生の目を通して描かれた文章には、その患者さんへの共感と尊敬が滲んでいて、「もう十分だ、もうがんばらなくても」という声が聞こえてくるようでした。
そんなことから私は、単純に「がんばらない」ことを良しとするムードになじめなかったのだと思います。

ただし、私はこの本を挙げて、新入生の皆さんに「頑張ることが大切だ、さぁ頑張れ」ということを言いたい訳ではありません。私が皆さんにお伝えしたかったのは、頑張って頑張っての前にある「その患者さん自身が、自らの選択にしたがって」というところです。

皆さんが、今、期待と共に感じているかもしれない不安。これからの人生においても誰もが感じる不安、それを解決するとっておきの方法が、この「『自らの選択にしたがって』行動することだ」ということを覚えておいてください。

もちろん「今の私には『自らの選択にしたがって行動する』なんていうことはできない」という人もいるでしょう。だからこそ、この大学で学び、さまざまなことを経験し、自ら考え選択する力をつけてください。

皆さんの先輩であるフィギュアスケートの坂本花織さん。北京オリンピック個人銅メダル、世界選手権3連覇を達成したスーパースターも、普段の姿はごく普通の大学生でした。そんな彼女もきっと「自らの選択」にしたがって坂道を昇って行ったのだと思います。

皆さんも必ずできます。

ここで、先輩たちのトピックスをご紹介しましょう。
全国規模の法律討論会の運営を担い、総合責任者として司会の大役を務めた法学部生がいます。
明石市のバス利用促進プロジェクトで「子育て世帯向けバスお試し無料乗車券」のアイデアを提案し、明石市の施策として採用された経済学部の先輩がいます。
地元企業を中心に企業とコラボを進め、新製品開発や新しいビジネス提案にチャレンジする経営学部生たちがいます。
プロの演劇人に交じって『ロミオとジュリエット』の制作助手兼役者を務め、演劇の道に進もうとしている人文学部生がいます。
身体障害にかかる授業支援のための学生有償ボランティアを組織し、活動をとりまとめた心理学部の学生は公認心理師を目指しています。
結成10年の防災女子(※1)を中心に震災30年を継承する活動を展開し、「ぼうさい甲子園(※2)」で入賞した現代社会学部生たちがいます。
単身でドイツのお城、古城修復国際ボランティアに参加し、ヨーロッパのボランティアたちと文化や言語を超えて交流し、大きく成長したグローバル・コミュニケーション学部の学生もいます。
神戸市と連携して、明舞団地で子ども3Ⅾプリンタ教室を開催した総合リハビリテーション学部生がいます。
マラソンランナー向けのレシピ開発や、企業と協賛したお節料理企画を実現し、手作りスイーツを販売した収益を災害義援金として送った管理栄養士を目指す栄養学部生がいます。
厳しい講義・実習のスケジュールと水上スキー競技を両立した薬学部生は、ついに、本学に水上スキー部を創設しました。

新入生の皆さんの明日にはどんなに素晴らしいことが待っていることでしょう。
私たち神戸学院大学の教職員は、今日入学された皆さんを全力で応援します。
大学での学びとさまざまな経験を通して、夢と希望を現実のものとしてください。

新入生のご家族の皆様におかれましては、大学とご家庭の「架け橋」として長い実績のある「教育後援会」の一員となられます。教育後援会の活動を通じて、神戸学院大学に親しみを感じていただければ幸いでございます。

本学は今年1月に創立59年を迎え、学校法人神戸学院は創立113年を迎えました。
神戸学院大学は、ここに集う皆さんと共に、これからも益々元気に成長していきます。
神戸学院大学の教職員は、いつも皆さんと共にいます。
大学を存分に活用して夢を叶えるための力を手に入れてください。

本日はご入学、誠におめでとうございます。

2025年4月2日
 神戸学院大学 学長 備酒 伸彦

※1 防災啓発活動を行っている学生グループ
※2 1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」