神戸学院大学

社会連携

株式会社サンテレビジョン 代表取締役社長の門野隆弘氏が「トップランナー特別講義」で講演しました

2023/06/15

講義の様子
講義の様子
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講義の様子
講義の様子

地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。第10回目の6月12日は、株式会社サンテレビジョン 代表取締役社長の門野隆弘氏が「地方TV局がめざすもの」をテーマに登壇しました。

サンテレビジョンは、神戸新聞社が中心となり、1969年に設立。1982年にはテレビ東京から番組の提供を打ち切られ全面的な自主編成、自主調達を余儀なくされ、1997年には阪神・淡路大震災を経験するなど、幾多の困難を乗り越えてきました。

いかなる状況下であっても独立局としての存在意義を常に考えながら情報を発信し、地域に根ざしたコンテンツの価値は不変であり、マスコミとして「与える」という立場ではなく、「寄り添う」という立場をより意識した情報発信に注力しています。

門野氏は学生とともに当時の阪神・淡路大震災の報道映像を視聴し、情報の公共性・信頼性を保ちながらも、同じ被災者としての目線で報道を可能とした被災カメラマンのエピソードを話しました。

目の前に広がる震災被害に取材を躊躇しつつも、テレビマンとしての矜持から取材に向かう彼に応えたのは、被災後間もない地域の人々。それは地域とともに生きてきたサンテレビジョンだからこそ実現した絆と共感の取材だったと熱く語りかけました。

被災した本社では、交通機能が麻痺する中駆けつけたスタッフにより放送が開始されましたが、当時の自家発電は8時間と災害時の報道継続には弱いものでした。2021年の新社屋移転はサンテレビジョンの認知向上もありますが、阪神・淡路大震災の教訓として、自家発電を72時間まで増強、災害時の情報発信力を強化、地域コミュニティのために何ができるのかを常に考え行動する企業としての姿を示すものでもあります。

また、歴代最年少で芦屋市長となった高島氏は、市民との対話の中からともに課題解決を目指しており、その姿勢はサンテレビジョンの企業課題にも繋がるものでもあると話しました。2019年に開局50周年を迎え社内公募された「いつもあなたのお隣サン」は、地域に寄り添う局のコンセプトを端的かつ的確に表現していると紹介しました。

最後に「サンテレビジョンは地域社会の信頼に応えるため、人々と共に考え、共に語り、共に行動する存在でありたい」と締めくくりました。

学生からは「大震災は言葉だけだと伝わらない、映像だからこその生々しさが伝わってきました」「地方の災害情報を細やかに報道できるのは、地方TV局ならではだと思う」などの感想が寄せられました。

次回は、6月19日は「南京町の過去・現在・未来~動の町づくり、静の店の店づくり」をテーマに南京町商店街振興組合 理事長 兼 株式会社老祥記 代表取締役社長の曹 英生氏が講演予定です。