現代社会学部菊川ゼミと人文学部鈴木ゼミの学生が兵庫漁業協同組合で兵庫運河の取り組みの成果発表を行いました
2025/02/27
現代社会学部の菊川裕幸講師ゼミと人文学部の鈴木遥講師ゼミの有志学生8人が、1月30日に兵庫漁業協同組合事務所で「おいでよ!あつまれ!きらきら光る里海~魔法的ひょうご運河~」の発表を行いました。この活動は、両ゼミ合同による学生チャレンジプロジェクトとして取り組みをスタートし、同組合が、兵庫運河で行ってきた環境活動の取り組みを、さらに発展させ、小学生に広めていきたいという願いから、本学との取り組みに発展したプロジェクトです。
学生たちは約1年間にわたり、兵庫漁業協同組合と協力しながら、アマモの種とりやアサリの観察などの活動に参加しました。そして、その参加経験をもとに、兵庫運河の自然環境や、同組合の活動の様子、さまざまな活動を精力的に行う漁師さんたちの思いを冊子と動画にまとめ、発表しました。
まず学生たちは、これまでの活動を時系列で報告し、現地訪問やインタビューなどから、「昔は生き物が暮らせないとても汚れた運河であったこと」「今は長い時間をかけて、地域の人たちの手で地元の小学生が自然環境や生き物について学ぶ場所へと変化してきたこと」「漁師さんたちの手によって人の暮らしと共存する“里海”を作りあげてきたこと」などを紹介しました。
活動の一環として、隣接する浜山小学校の自然学習に出向き、地球温暖化対策としても注目されるアマモという海藻の種取りや播種シートの製作、海中への設置などの環境整備やアサリの観察も行いました。アマモが増えることで、生き物の棲み処を作り出すこと、個体数が増えることで水質浄化が期待できるアサリを調査し、その成長を記録したことなどを発表しました。
成果物として発表された冊子は、小学生にも分かりやすいようにイラストや写真を多用し、漁業や環境問題への関心を高める工夫がされています。また、制作した動画で活動の様子を発表し、「みんな」で兵庫運河の自然を守っていく大切さを伝えました。
発表を聴いた兵庫運河に関わる方々は、「学生たちが地域の魅力を再発見してくれ、兵庫運河は神戸市の財産であると改めて認識した。その大切さを次世代に伝える貴重な取り組みだ」と評価しました。また、浜山小学校の河野教頭先生は、「小学校の環境学習でこの冊子の活用を検討したい」とコメントしました。
活動を終えた学生は、「『自然環境保全』と聞くと森林保全のことしかイメージできなかったが、海と山がつながることで、農作物の成長などへの循環が起きていることや、アマモやアサリのこと、兵庫運河の長い歴史を学び、この活動が次世代にも伝わっていくことを願います」と締めくくりました。
- 【参考URL】
- 学生チャレンジプロジェクト:https://www.kobegakuin.ac.jp/support/challenge/
- 兵庫漁業協同組合:http://www.hyogo-gyokyo.or.jp/