人文学部の福島あずさ講師がオンラインワークショップを行いました
2020/08/20
人文学部の福島あずさ講師がワークショップ「見えない力を測ってみよう!~お天気を変える『気圧』ってなに?」を8月8日に小学生とその保護者を対象にオンラインで実施しました。この取組みは、2018年に大丸神戸店と「地域社会の活性化と生涯学習の振興に関する包括連携協定」締結し、協定に基づくプログラムとして「もとまち こども大学」と題して年間を通して、子どもたちの創造性を高めることを目的に様々な企画を実施しています。
今回は、新型コロナウィルス感染の拡大状況に合わせて、オンラインに変更して開催。2部制で9組の親子が日頃の生活ではあまり意識されない自然界の力のひとつである大気の正体を3つの実験を通して学びました。
最初に、大気の重さについて考えるゴム板を用いた実験を説明。机の上に持ち手がついたゴム板を置き、机が持ちあがる様子を見てもらいます。ゴム板の大きさ(面積)によって上に乗っている空気の量が異なるため、上からかかってくる圧力(重さ)の違いを説明し、自宅で体験できるものとして、バットとフック等についている吸盤を用いて実験方法の説明も行いました。
次に、パスカルの「パラドックス」の画像を使い、流体の圧力が一部分にかかったとしても、全体の圧力がふえる性質であることを見てもらいました。2つ目の実験として、台風の高潮の仕組みを体験。事前に実験に必要な道具を案内し、準備ができた参加者と共に実験を開始します。水を張った皿の上に火がついたロウソクを浮かべ、周囲の空気が温まった頃に、透明のカップをかぶせます。ロウソクの火の熱を使って、カップの中の空気を膨張させて気圧を上げた状態にし、火が消えてカップ内の空気が冷え収縮し気圧が下がると水位が上がります。これは、高潮の現象を再現したもので、自然界では台風などにより気圧が下がると、海面を押さえつけている気圧が弱くなり海面が高くなると、画像を使って説明しました。実験に参加した各組とも1.5cm~2cmほど水が上がり、その水が上がる様子を不思議そうに子どもたちが観察していました。
最後に、ストームグラスを使った実験を行いました。これは、水の変化を利用して気圧の変化を観察するもので、大気が水をおす力は、その日の天気によって変化します。大気の存在が知られる前の17世紀頃のイギリスで、「晴雨計」として実際に水を利用して天気を予測する道具として使われていたもので、実験を行った当日の気圧を目盛りとし、毎日水位を観察することで気圧の変化を可視化することができると説明をしました。
オンラインワークショップでは、子どもたちの様子が画面越しでしかわからず、実験の進捗状況の確認など苦労する点もありましたが、ZOOMの「反応」機能等を活用しながら子どもたちと対話を行い、参加者の協力もあり、初めてのオンラインワークショップを終えることができました。