産学官連携で新規就農者を育成する「楽農アカデミー」修了式を有瀬キャンパスで実施しました
2024/03/04
新規就農促進のために神戸市が創設した「神戸ネクストファーマー制度」を活用して新たな農業者を育てる「楽農アカデミー」の1年間のプログラムが終わり、第1期生の修了式が3月2日、有瀬キャンパスで行われました。
楽農アカデミーは、本学とJA兵庫六甲、神戸市が産官学連携プログラムとして企画しました。後継者不足で世代交代が進まず、高齢化が進んでいるのが農家や農業が抱える全国的な課題です。その解決に向けて、将来の新規就農者を獲得し、遊休農地の拡大に歯止めをかけることが開講の狙いです。
農作物栽培の基礎から販売方法までのノウハウを持つJA兵庫六甲、現代社会学部・経営学部・栄養学部を擁する本学、行政施策で農家を支援する神戸市のそれぞれの強みを生かして120時間のプログラムを組みました。農業の実践と経営に生かすことを前提に、講義は本学有瀬キャンパスで農業に詳しい菊川裕幸現代社会学部講師らが行い、実習は神戸市西区伊川谷町の井吹南営農組合管理の農地で行いました。
第1期受講生は30代から70代までの24人(男性16人、女性8人)で、代表3人が壇上で修了証書と記念品を受け取りました。
続いて受講生による成果発表があり、トップバッターの山中光秋さんは、「共同作業では農薬を使った慣行農業の実習に取り組み。個人では作りたい野菜を無農薬で栽培しました。目指すゴールは異なっていても皆さんと何年か先に農でつながっていたら楽農アカデミーは成功したと言えるのではないでしょうか」と述べました。
2番目の林隆寛さんは企業勤務の経験から「企業視点でシビアな経営計画を立て、仕事仲間を『本音を言ってくれる消費者』ととらえて本物のマーケットリサーチをしなければ」と述べました。ネクストファーマーのメリットもデメリットも数えきれないとし、「消費者から受け入れられるようにならなければ」との考えを示しました。
淡路島で特産のタマネギ栽培をしている3番目の大石順彦さんは「『タマネギの次は!』と次に栽培する野菜の品種を考えており、将来はバーベキューハウスを作りたい」との夢を語りました。昨年は日本初の赤いスイートコーン「大和ルージュ」の栽培にも挑戦したことを報告し、食に関わる人たちへの聞き取りでマコモなどに需要があることを紹介しました。
4番目の楠本喜章さんは県庁前で開いている人気の居酒屋「なん天」を紹介し、「野菜の販売、加工、ワークショップの開催などで、うちの店をいいように使ってください。修了生がバラバラにならないように、つながりを大事にしましょう。チーム名は縁起良く『楽農AAA』でどうでしょう」と呼びかけました。
この後、中村学長やJA兵庫六甲の石丸幸雄代表理事副組合長、神戸市の黒田慶子副市長、JA兵庫六甲と本学を取り結んだ本学卒業生のしらくに(白国)高太郎神戸市議、受講生代表の籠重直志さんらがあいさつし、最後に記念撮影しました。
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