経済学部の井上ゼミが自販機プロジェクトでダイドードリンコに最終提案しました
2021/02/02
「あったらいいね!」と思わせる自動販売機の開発プロジェクトに取り組んできた経済学部・井上善博教授ゼミ(2年次生)は1月29日、有瀬キャンパスで飲料メーカーのダイドードリンコ(本社・大阪市)に最終提案を行いました。3班に分かれ、順にプレゼンテーションしました。
◆レンチキュラーでフォトコンの図柄使う A班
A班は学内に設置する自販機には電子掲示板を付け、行事予定やバスの時刻表などの情報をデータで流し、学外に設置する自販機は、高松市のJR屋島駅周辺に源平時代の「屋島の合戦」で有名な弓の名人・那須与一をデザインした外観にすると提案しました。また、見る方向によって図柄が切り替わり、立体感が出る印刷物「レンチキュラー」を使ったデザインを使うとして。本学のフォトコンテスト「キャンパスライフの魅力」の大賞作品を図柄に使うことで美しいキャンパスもPRできると主張しました。レンチキュラーの印刷コストも示しました。
◆先払い方式で利益を確保 B班
「自販機革命」と題して発表したB班は、定額チケットの導入やアプリ内の決済で近くの自販機に商品を取りに行く方式を提案しました。商品の代金を先払いしてもらうことで利益を確保することが可能だという訳です。定額チケット購入者にはポイントで還元するとしました。さらに学外設置機については、阪神甲子園球場とコラボレーションする案や、世界遺産で国宝の姫路城や、有馬温泉などの観光地周辺に設置して、外観には地域の「ゆるキャラ」を使い、観光情報を音声で流すことで地域貢献できるとアピールしました。
◆宝塚ファンらにターゲット絞る C班
C班は「宝塚歌劇団」で全国的に知られる宝塚市の阪急宝塚駅から宝塚大劇場にかけての人通りの多い場所に設置する案を示しました。自販機には歌劇団のシンボルソングである「すみれの花咲く頃」を音声で流し、芳香機でスミレの花の香りを漂わせて印象づけるという作戦です。入手した自販機の利用頻度の男女別、年代別のデータから、最も利用頻度の低い40~50代の女性に客のターゲットを絞り、歌劇ファンの客層にもマッチすることを訴えました。大劇場内にはコーヒーの自販機がないことも現地で確認しました。
◆最優秀賞はA班に 提案の実現目指す
井上教授と同社とで審査の結果、最優秀はA班、アイデア賞はB班、チャレンジ賞はC班に決まり、ダイドードリンコ西日本営業部の日高健一郎部長から表彰状と副賞がA班の濱田樹さんら各班代表者に贈られました。
講評で井上教授は、「甲乙つけがたい発表でした。最優秀にA班が選ばれた決め手は年度末の3月までに実現可能な案だったことと、既存の自販機機能を生かせることです。ダイドードリンコさんと協力し、提案実現に向けて取り組みたい」と述べました。日高部長は、「A班は実現可能な案で、レンチキュラーなど複数のアイデアを組み合わせているのも良かった。ビジネスの世界では複数のサービスを組み合わせることでイノベーションを生むことは覚えておいてください」と評価・アドバイスしました。B班については「アプリで決済して自販機に取りに行くという発想は私たちにもなかった。甲子園周辺に設置するという案は魅力的で業者間の競争率が高いが、(兵庫県にプロチームのある)サッカー、バスケットボールに応用できるかもしれない」とのコメントをいただきました。C班については「宝塚での地域貢献の発想は素晴らしい。40代の男性に買っていただいていることは認識している。逆に、買っていない人たちに対して何ができるかという提案は大事なこと」と、共感いただきました。
最後に日高さんは「自販機もシェアだけを追い求める時代は終わり、地域で必要とされる存在になることが大切」とまとめ、締めくくりました。