神戸学院大学

社会連携

土曜公開講座 外国人材活用の課題と対策ー留学生教育の視点からーを開催しました

2019/05/20

第77回神戸学院大学土曜公開講座を5月18日に有瀬キャンパスで開催しました。

2回目となる今回は、グローバル・コミュニケーション学部栗原由加准教授が「外国人材活用の課題と対策-留学生教育の視点から-」と題し、外国人材を受け入れることで発生する問題を、留学生教育の視点から、その問題の背景、現状、対策について講義を行いました。

まずは外国人の労働について、日本に来て働きやすい仕組みづくりを政府も進めていることを説明。外国人留学生の就職は、4割程度で低いようにも感じるが、現場の感覚としては妥当な割合であり、必ずしも日本で就職する必要性がないと話しました。

次に、外国人留学生の就職について求められる能力は、日本語と異文化適応力であると説明し、企業側が驚くありがちな事例を紹介しました。例えば、言葉のラリーがなく単刀直入な話をする事、日本人との仕事に対する考え方の違い、日本の企業文化が理解できないための行動等でした。また、日本人の働く感覚と少し違うが、留学生にとって当たり前なこととして、日本での就職はあくまで1つの選択肢であること、少しでも賃金の良いところで働きたいので良いところがみつかるとすぐ辞めること、組織の中の一人として働くのではなく個人として働く感覚があるということなどがあるそうです。

留学生たちが「働く」ことで見えてきたギャップを、本学のインターンシップ制度を使って説明されました。一番ギャップがあったのは、コミュニケーションの部分で、企業側は日本語が出来ていると評価しているが、留学生たちは出来ていないと思っているという現状であり、留学生は「分かりました」や「はい、できます」と答えているが、企業の人たちがどういう意図でそれを伝えているのかわかっていないという問題がありました。このようなことから、「働く」前段階で、日本社会や企業文化を実体験できる場が留学生に必要であると説明されました。

最後に、受講者のみなさんへインターンシップの場を提供して欲しい旨と、日本語を教えるボランティアにぜひ参加し、留学生たちに学校では与えられない経験の場所を増やす機会を提供していただきたいとお願いされました。

受講者の方からは、「外国人留学生の現状がよく分かり、勉強になりました」、「自分ができることを考えていきたいです」などの感想をいただきました。

次回は、5月25日心理学部中川裕美講師による「心理学からみたマインドフルネス-小さな気づきから自分らしい生き方へ-」です。近年、心理学でも注目を集めているマインドフルネスの実践を体験していただき、心理学の観点からみた有用性について講義を行います。皆さまのご参加をお待ちしております。

*今後の講座*
・5月25日『心理学からみたマインドフルネス-小さな気づきから自分らしい生き方へ-』心理学部 講師 中川裕美
・6月8日『高齢者の食事を考える』栄養学部 准教授 伊藤裕美
・6月22日『メンタルヘルスとソーシャルサポート-こころの健康のための社会学理論-』共通教育センター 教授 高梨薫

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