神戸学院大学

社会連携

神戸市中央区の増田匡区長が「トップランナー特別講義」で講演しました

2024/06/11

講義する増田中央区長
講義する増田中央区長
講義する増田中央区長
講義する増田中央区長
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者

6月3日のトップランナー特別講義では、神戸市中央区の増田匡区長が「神戸市役所で働くこと」をテーマに登壇しました。

まず、はじめに神戸市役所と区役所の役割や仕事内容に違いがあることを説明しました。また、市役所と民間企業との違いについて触れ、民間企業が利益を生み出すことを目的とするのに対して、市役所は市民のためにより良いサービスの提供を主目的とすると述べました。

「市民の役に立つところ」と位置づけ、市民生活を支えるための幅広い仕事であることから、特に区役所では、市民サービスの最前線となり、地域問題の解決や地域の活性化、防災対策など、地域に密着した仕事を行うとともに、神戸市全体の発展と市民の生活の質向上を目指す職務を果たし、公務員の仕事とその必要性についての重要な機関であると述べました。

次に、増田区長のお気に入りである「まち歩き」から、「『五感を使って注意深く観察する』『違和感を大切にする』『面白がる』などのポイントを通して、中央区のまち歩きを体感することで、舗装されていない路地裏が多いこと、看板から住んでいる人の暮らしを知ることもできる」と学生に勧めていました。

続いて、神戸市の職員になった経歴は、公務員の志望理由として父親が公務員であったこと、周りから「公務員に向いているよ」と言われたこと、人の役に立ちたいという思いが強かったことなど些細な理由だったと語りました。

また、高校時代に物理が好きだったことから建築の道へ進むことを決め、大学で構造設計を学び、建築職として神戸市役所に採用され、入職後、阪神・淡路大震災で須磨市役所への出向となり、避難所の運営支援を行い、被災された市民の安定した生活のために24時間体制で業務に取り組んだ経験を自身のエピソードを交えて紹介しました。

その後、神戸市住宅供給公社にて住宅に関する相談、神戸医療産業都市の中核プロジェクト、新長田駅南部での震災復興のための再開発から活性化を担当し、長田区長、地域協働局長を経て、中央区長へと就任。「市役所で30年以上働いてこられた原動力は、『人の笑顔と、社会を変えられる』という思いがあったからです」と述べました。

そして、最後に学生に向けて、「一つ目『こども心を忘れない』。これは、イノベーションはこども心から生まれ、好奇心を大切にし、気持ちに余白を作ること。二つ目『楽しむ』。これは、どんな仕事も必ず自分のためになる、やらされているのでは長続きしない、人生は一度きりで、やり直しはできない事実を踏まえ、楽しみを見つけて、毎日を楽しく、精一杯生きていくこと。三つ目『挑戦する』。元大リーガーのジャッキー・ロビンソン選手の言葉『不可能の反対は可能ではない。挑戦だ』を引用し、何事にも挑戦し続けてほしい」と三つのメッセージとともにエールを送りました。

受講した学生からは、「今僕たちが不自由なく楽しく暮らせているのは、神戸をより良い街にしていきたいという想いをもつ職員がいて発展を支えてきてくれたからだとわかり、神戸への愛を感じられた講義でもありました」「将来どんな職に就こうか決まっていない中、人のために、街のために精一杯努力でき、直接人と関わり合える仕事が、どんなに素晴らしいことなのか今日の講演を聞いて改めて考え直すことができた」「人に感謝されるやりがいのある仕事を見つけていきたいなと思いました」などのコメントが寄せられました。

次回6月10日は「しあわせをつくる仕事〜フェリシモのケーススタディ〜」をテーマに、株式会社フェリシモの矢崎和彦氏が講演予定です。