神戸学院大学

社会連携

株式会社老祥記の曹英生代表取締役が「トップランナー特別講義」で講演しました

2024/04/30

講義する曹氏
講義する曹氏
スライドで見せながら説明する曹氏
スライドで見せながら説明する曹氏
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者

地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。4月29日は、南京町商店街振興組合 理事長で株式会社老祥記 代表取締役の曹英生氏が「南京町の過去・現在・未来〜、動の町づくり、静の店の店づくり」をテーマに登壇しました。

老祥記は、1915年に神戸・南京町(中央区)で開業し、「豚饅頭」という呼び名の発祥の店としても知られています。

講義のはじめに、神戸南京町の発展の歴史について、当時の写真をスライドで見せながら、「神戸港開港とともにビジネスの場・中国人の居住地として瞬く間に繁栄をとげた南京町でしたが、第二次世界大戦を機に風景が一変し、危険なエリアに変貌しました。南京町商店街は神戸市の区画整理事業を機に、兵庫県・神戸市・南京町で協力し、10年かけて整備することで、今の『安心・安全』な南京町ができあがりました」と当時の苦労を語りました。

次に、今や一大観光イベントとなった「春節祭」にスポットを当て説明しました。

「春節祭」開催はゼロからのスタート。人の流れを生むことを前提に中国の旧正月を祝うイベントとして立ち上げ、その準備は業者を入れずに商店街が一丸となりつくりあげたものでした。春節祭に伴う仕入れや、業者手配、衣装メイクなども全て商店街の若者を中心としたメンバーがその役割を担い、祭りを盛り上げました。そのノウハウは今も引き継がれています。

続いて、阪神・淡路大震災の生々しい被害状況を「被災した南京町ではライフラインが絶たれガス臭さも立ち込めていました。自らの店の経営も危ぶまれる中、被災後数日で商店街の人々は神戸の復興のために集まり、春節祭の開催をとりやめ、代わり南京町で炊き出しを行うことを決断しました。その時ふるまわれた料理に次々とよせられた被災者からの感謝の声が、商店街の人々を勇気づけ、改めて南京町に活気を取り戻そうと奮い立つものがありました」と熱く語りました。

神戸のみならず全国的に自粛ムードが続き、このままでは経済を停滞させてしまうと『自粛を自粛する』という考えから「神戸五月まつり」を開催したエピソードも紹介。関連業者の協力もあり、南京町としてだけでなく、神戸市民として神戸に元気を取り戻そうと団結できたと語り、被災地である神戸・南京町から祭りの様子を発信したことが、全国で自粛を解く動きに繋がったと話しました。

また、講義中にはクイズに正解すると豚饅10個プレゼントというサプライズもあり、学生らは次々と手を挙げていました。

最後に学生に向け「多様性を受入れ、柔軟性をもってほしい。また、自分のことをブランディングすることが大事、自分をブランディングするということは自分の価値を回りに示すことになる。色んな場所へ行き、やってみたことのないことにもチャレンジしてほしい。現場へ行ってみないと分からないことも多いので、その場所のリアルを体感し自分を磨いてほしい」とエールを送りました。

講義を受けた学生からは、「普段何気なく観光で訪れる南京町の歴史を知ることができた。また、多くの人の努力やサポートがあり今の南京町があることがわかった」「しっかり、自分をブランディングするためにこれから行動していこうと思う」等のコメントが寄せられました。

次回5月15日は、株式会社シマブンコーポレーション代表取締役 社長執行役員の木谷謙介氏が登壇予定です。