人文学部の福島あずさ講師がもとまちこども大学のワークショップを実施しました
2021/08/23
8月21日、人文学部の福島あずさ講師がワークショップ「見えない力を測ってみよう!~お天気を変える「気圧」ってなに?~」を小学生とその保護者を対象にオンラインで実施しました。この取組みは、2018年に大丸神戸店と「地域社会の活性化と生涯学習の振興に関する包括連携協定」を締結し、協定に基づくプログラムとして「もとまち こども大学」と題して年間を通して開催しており、子どもたちの創造性を高めることを目的に様々な企画を実施しています。
今年は、新型コロナウイルス感染拡大状況を踏まえて、「夏休み特別企画」をオンラインで企画し、7月から8月にかけて5つのプログラムを展開しています。
今回は、2部制で10組が参加し、ワークショップのアシスタントを同学部4年次生の池内美睦さんと新山千晶さんが務めました。
最初に、大気の重さついて考える実験を行いました。机の上に持ち手がついたアクリル板を置き、板を持ち上げても机から離れないことを体験しました。また、大きな物を持ち上げることができる事例として、ゴム板を用いた実験を行い、長机の上に持ち手がついたゴム板を置き、机が持ちあがることを実演しました。ゴム板の大きさ(面積)によって上に乗っている空気の量が異なるため、上からかかってくる圧力(重さ)にも違いが生じることを説明し、身近にあるもので、吸盤を用いて同様の実験ができることも紹介しました。また、パスカルの「パラドックス」の画像を使い、流体の圧力が一部分にかかったとしても、全体の圧力が増える性質であることも説明しました。
2つ目の実験では、台風の高潮の仕組みを体験しました。水を張った皿の上に火がついたロウソクを浮かべ、周囲の空気が温まった頃に、透明のカップをかぶせます。ロウソクの火の熱を使って、カップ内の空気を膨張させて気圧を上げた状態にし、火が消えてカップ内の空気が冷え収縮し気圧が下がると水位が上がります。これは、高潮の現象を再現したもので、自然界では台風などにより気圧が下がると、海面を押さえつけている気圧が弱くなり海面が高くなることを、画像を使って説明しました。実験に参加した各組とも1.5cm~2cmほど水が上がり、子どもたちは水位が上がる様子を不思議そうに観察していました。
最後は、ストームグラスを使った実験です。これは、水の変化を利用して気圧の変化を観察するもので、大気が水をおす力は、その日の天気によって変化します。大気の存在が知られる前の17世紀頃のイギリスで、「晴雨計」として実際に水を利用して天気を予測する道具として使われていたもので、実験を行った当日の気圧を目盛りとし、毎日水位を観察することで気圧の変化を可視化することができることを説明しました。
オンラインワークショップでは、子どもたちの様子が画面越しでしかわからず、実験の進捗状況の確認など苦労する点もありましたが、ZOOMの「反応」機能等を活用しながら、子どもたちと対話を行い、参加者にも協力をいただきながら、日頃の生活ではあまり意識されない自然界の力のひとつである大気の正体を、3つの実験を通して学びました。