神戸学院大学

社会連携

SOMPOケア株式会社の金子特命部長の講演を経営学部の学生が聴きました

2023/11/20

講演する「SOMPOケア株式会社」egaku事業本部特命部長の金子さん
講演する「SOMPOケア株式会社」egaku事業本部特命部長の金子さん
金子さんの講演を聴く学生ら
金子さんの講演を聴く学生ら
講演を前に日本の高齢化社会の現状などについてレクチャーする小川教授
講演を前に日本の高齢化社会の現状などについてレクチャーする小川教授

介護付きホームから在宅事業所まで全国展開する介護サービス企業「SOMPOケア株式会社」egaku事業本部特命部長の金子重雄さんが11月17日、ポートアイランド第1キャンパスで講演しました。

経営学部の「基礎演習Ⅱ」の授業で10のゼミから多数の学生が受講しました。司会は齋藤政彦教授が担当しました。まず小川賢教授が「高齢社会白書」を基にした日本の高齢化社会の現状と今後の見通し、介護業界の人材不足の深刻さについて説明しました。

金子さんは「未来の介護を創造するリアルデータプラットフォーム『egaku』」の演題で、同社がデータの蓄積をどう介護現場で生かそうとしているかを中心に語りました。「egaku」はそのために同社が開発し、進化しているシステムで、高齢者ケアの最適化などに活用されつつあります。

導入を前に、同社は厚生労働省が昨年度実施した「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業」のうち提案型実証で「介護事業者等からの提案手法」に応募して採用されました。新たに入浴支援装置などテクノロジーを生かした、さまざまな機器を運営施設に導入した結果、介護スタッフの人員配置や職員の心理負担、利用者の状態、QOLスコア上位の比率などで改善が裏付けられたといいます。

「egaku」は業務ごとに散在している利用者1人の600項目のデータを統合して1画面で表示するようにしました。延べ3万3000人の利用者の生活歴、経過などをベースに類似ケースの利用者の今後の経過を予測し、悪化の可能性がある人についてアラートで注意喚起することが可能になりました。「見える介護」と「予測する介護」で介護サービスの質の向上にもつなげ、ケアの最適化、早期対応と重篤化の予防に役立てたいといいます。

活用の事例としては「egaku」導入前の排泄ケアは利用者を訪ねてもタイミングが合わずに空振りが多く、失禁の回数が多かったが、導入後はデータに基づくスタッフの気づきも増えて失禁回数は減り、業務負荷も軽減されたことが分かりました。

最後に金子さんは「介護スタッフにとって利用者の方から『ありがとう』と言ってもらうことが最大のモチベーションになります。データシステムの活用で人以外でもできる作業をいかに効率化し、人にしかできない作業に注力する環境を整えたいと思っています」と述べました。