「ひょうご防災フェスタ」を本学ポートアイランド第1キャンパスで開催
2019/11/30
県民の防災意識を高めてもらおうと、「ひょうご防災フェスタ」(同フェスタ実行委員会主催)が11月30日、ポートアイランド第1キャンパスで開かれました。防災車両の展示や消防防災ヘリコプターによる救助デモもあり、主催者発表では約8000人の来場者で終日にぎわいました。
B号館学生ラウンジで午前10時から開会式がありました。本学の佐藤雅美学長らが壇上に上り、主催者を代表して兵庫県の金沢和夫副知事が「阪神・淡路大震災も発生から25年目となり、記憶を風化させないためにこのイベントを開催します」と、あいさつしました。続いて、全国各地の被災地のゆるキャラに加え、本学のゆるキャラ「マナビー」の着ぐるみが登場して、参加者らと記念撮影しました。
B301号室では「防災・減災・復興への取り組みと産学民官の協働~阪神・淡路大震災の経験と教訓をつなぐために」のテーマでシンポジウムがありました。室崎益輝・兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長が「阪神・淡路大震災の経験・教訓は活かされているか」と題して基調講演。「防災意識の醸成が不十分あるいは経験・伝承の実践が不十分」だとし、「何をいかに伝えるかが明確になっていないし、何をなぜ学ぶかも明確になっていない」と指摘しました。具体的には、「被災者全員におにぎりを配ったからそれで良いという訳ではなく、アレルギーのある人や肉が食べられないという人にも個別に対応するような配慮が必要だ」と述べました。
この後、本学の清原桂子・現代社会学部教授をコーディネーターに、神戸製鋼所環境防災部長の泥俊和氏▽被災地NGO協働センター代表の頼政良太氏▽本学現代社会学部社会防災学科の舩木伸江准教授▽兵庫県防災監の早金孝氏――によるパネルディスカッションがありました。質疑応答で、本学の学生が「私は高校生から防災について学んでいますが、なぜ防災を学ぶのかなどと聞かれます。もっと身近な問題として防災をとらえてもらうためにはどうすれば?」と質問。頼政さんが「災害時の食事講座を開いてもあまり人が集まらなかったりします。でも子育てサークルの離乳食作りの講座に災害が起きたらどうするかというのを一項目入れてもらうのも一案です」と、返答しました。
B号館では本学の学生らがさまざまな展示やイベントを実施しました。社会防災学科の舩木ゼミは震災で子供を亡くしたお母さんからの聞き取りをもとにした「あっこちゃんのはさみ」の絵本づくりや出前授業の取り組みを紹介しました。同じく社会防災学科の伊藤ゼミによる展示「熊本地震と西日本豪雨の復旧・復興と現在を学生の視点から伝える」は、泥水などで汚れた写真をクリーニングして再生する取り組みなど神戸でもできる取り組みなどを紹介しました。ボランティア活動支援室学生スタッフ災害班は「被災地応援物産展」を開催し、被災地から取り寄せた物産を販売しました。
本学のTeam EAFD(Educational Activities for Flood Disaster)は「水災害から命を守ろう~『都市型水害実験装置』で被害を可視化~」と題してジオラマ模型を使い、津波災害と水災害について計12回説明しました。都市型水害では、堤防が崩れて川の水があふれ、駐車中の車も押し流してしまう模様などを生々しく伝えていた社会防災学科2年次生の小林千香さんは「私自身が水災害を経験したことがありませんが、ジオラマでその恐ろしさを知ることが出来ました」と話していました。