神戸学院大学

男女共同参画推進への取り組み

ダイバーシティドキュメンタリー上映会を開催しました

2024/12/25

中山教授のコメントを聴く参加者
中山教授のコメントを聴く参加者
壇上でコメントする中山教授
壇上でコメントする中山教授
壇上でコメントする伊藤教授
壇上でコメントする伊藤教授

男女共同参画推進室が、ダイバーシティドキュメンタリー上映会として、台湾のドキュメンタリー作品「日常対話」(2016年、台湾、監督:黄惠偵)を12月23日は有瀬キャンパスで、24日はポートアイランド第1キャンパスで上映し、教職員と学外からの参加者をあわせて約300人が視聴しました。

男女共同参画推進室では、ジェンダーやセクシュアリティに関わる映像作品の上映会を2019年度より毎年実施しています。

今年度の上映作品「日常対話」は、幼い自分と妹を連れて父から「避難」し、台湾の伝統的な葬送文化である〈牽亡歌陣〉を組織して生きてきた母アヌを撮影したドキュメンタリーです。多くを語らず、また時には「愛情」も感じられない母の本音を追って、親族や母の恋人にインタビューを行い、最後には監督である娘と母が対話をします。台湾の文化と風景、そして家父長制やセクシュアリティ、性暴力などの大切なテーマについて考えさせられる作品です。

23日の有瀬キャンパスでは、上映後に男女共同参画推進室長の中山文人文学部教授が壇上でコメントしました。中国や台湾では「ご飯を一緒に食べることが家族」という認識があることを話し、食事に関連するシーンを挙げて、映画の中の家族の姿や変化について分析しました。また母アヌの恋人の語りから、「相手のセクシュアリティを大事にするということは、相手の存在自体を大事にするということだ」と述べました。

24日のポートアイランド第1キャンパスでは、副室長の伊藤亜都子現代社会学部教授が「いくつかのテーマが背後で繋がっているのではないか」。「家族という完璧ではない関係について、とてもしんどいけれど、でも一歩踏み出して、撮影や対話を通して明らかにしようと試みていた。自分自身の課題に向き合う姿勢について考えさせられた」と話しました。また、山口真紀特任講師は、「性暴力はずっとあった。社会が受け止めるときだ」。「人はすぐに答えの出ない問いとともに生きているのだと思った」と述べました。

日本社会とも無縁ではない重たい現実を扱った作品でしたが、学生たちは真剣に視聴し、上映会後に友人と話し込む姿も見ることができました。