「<私>のキャリア・デザイン―女性が活躍する企業の取り組みから考える―」をテーマに男女共同参画フォーラムを開催しました
2024/07/09
国の男女共同参画週間(6月23日~29日)に合わせ、「<私>のキャリア・デザイン―女性が活躍する企業の取り組みから考える―」をテーマに6月25日、ポートアイランド第1キャンパスで男女共同参画フォーラムを開催しました。
男女共同参画推進室とVAL21(兵庫県経営者協会 女性部会)が共催し、約140人の学生や教職員が参加しました。司会は男女共同参画担当の山口真紀講師が務めました。最初に兵庫県経営者協会人材育成部の糀谷優主事があいさつし、VAL21について、「現在、20~70代の企業会員と行政会員の計30人で構成する働く女性の会です。女性活躍を通じた県内企業の活性化、働く女性の意識・地位向上などを目的に活動しています」と紹介しました。
続いて、(株)神戸製鋼所の人事労政部担当部長を務める森下薫さんをファシリテーターに社会福祉法人神港園で生活相談員を務める亀井美幸さん、高圧ガス供給における制御システムの設計・製作などを業務とする(株)千代田精機神戸第一工場製造部生産管理課生産管理グループの香西葉月さん、システム導入のコンサルティングなどを業務とする(株)ベネストのコーポレートグループマネージャーを務める今城愛子さんがパネルディスカッションを行いました。
ファシリテーターと3人のパネリストは最初に自己紹介を行い、職場での働き方や休暇制度、出産や育児、家事などと仕事をどう両立し、困難をどう解決してきたかを述べました。森下さんは「ライフサポート休暇制度があり、家族の介護、ボランティア活動、不妊治療でも利用できます」と、自社の柔軟な制度について紹介しました。人事総務の仕事もしている今城さんは「働きやすい環境づくりを進めており、残業の抑制、育児休暇を取得した男性社員もいます」と述べました。
また、「キャリア・デザイン」の話題では、各自が作成した「キャリア・モチベ―ショングラフ」を見せながら、仕事のモチベーションがアップダウンした原因となった出来事(結婚、出産、転職など)と、その時の気持ちを共有しました。
「育児との両立によって短い時間で成果を出せるようになったのが私の成長できた点です」と集中力と工夫で仕事の効率を上げたとの報告や、「現場を経験したから相談業務に生かせることがあります」と、体力の必要な現場の仕事を体験する価値に気づいた報告、「上司に頼んで、先輩の仕事を引き継ぎ、1人で仕事を任せてもらえるようになった」と、やりがいがアップした報告もありました。
質疑応答の時間には、事前に学生から募集した質問に基づき、男女のジェンダー・バランスについても話し合いました。「女性のために男性ができることは何ですか」という質問には、「困っている人が『女性だから』だから助ける、のではなくて、男性でも女性でも誰でも、『困っているから助ける』という社会になっていくとよい」と回答がありました。また、「会社の幹部が同世代の男性ばかりになると必ず見落としてしまう点が生じる。女性を役員に加えることで、視野を広げることになるのではないか」との提言で議論を締めくくりました。
最後に男女共同参画推進室の中山文室長(人文学部教授)が、「それぞれのご苦労がよく分かりました。女性が生きやすい社会は男性も生きやすい社会であって、会社もまた永続性を持つ。これからはそんな視点を持った若い皆さんの力が必要だと思います」と閉会のあいさつで述べました。