神戸学院大学

男女共同参画推進への取り組み

「2024年度男女共同参画・ジェンダー卒論発表会」を開催しました

2025/02/12

中山文男女共同参画推進室長(左端)から表彰を受けた(左から)優秀賞の飯綱萌さん、最優秀賞の長谷川雄一さん、優秀賞の田中愛桜さん
中山文男女共同参画推進室長(左端)から表彰を受けた(左から)優秀賞の飯綱萌さん、最優秀賞の長谷川雄一さん、優秀賞の田中愛桜さん
学生の発表を聴く参加者と発表者
学生の発表を聴く参加者と発表者
中山室長から最優秀賞の表彰を受ける長谷川雄一さん
中山室長から最優秀賞の表彰を受ける長谷川雄一さん
中山室長から優秀賞の表彰を受ける飯綱萌さん(左)と田中愛桜さん
中山室長から優秀賞の表彰を受ける飯綱萌さん(左)と田中愛桜さん
発表者全員と指導教員らによる記念撮影
発表者全員と指導教員らによる記念撮影

男女共同参画推進室主催の「2024年度男女共同参画・ジェンダー卒論発表会」が2月5日、ポートアイランド第1キャンパスにて、オンラインも併用したハイブリッド形式で開催されました。

7回目となる開催で、3学部から11人の応募があり、当日は10人の学生が発表しました。(発表者、学部、卒論テーマの表は末尾に)

発表後は教員から質問やコメントがあり、発表者とやりとりして内容の理解を深めました。参加者全員による投票の結果、最優秀賞に長谷川雄一さん(現代社会学部社会防災学科)「女性に対するバイスタンダーのBLSとその普及について」、優秀賞に飯綱萌さん(グローバル・コミュニケーション学部中国語コース)「台湾人『慰安婦』とその支援について―阿媽・支援者の声を中心に―」と、田中愛桜さん(同学部英語コース)「ファッションから見るセクシャリティへのこれからの考察」が選ばれました。

最優秀賞の長谷川さんの研究は、2013年のマラソンで心停止した女性に対するBLS(Basic Life Support:心肺停止や呼吸停止した人に行う1次救急救命措置で、心臓マッサージの実施や、AED=自動体外式除細動器=を使って電気ショックを与えること)をためらったために措置が遅れて意識障害が残った事例から問題意識を持ち、市民が抱える不安やBLSの実施を妨げる心理的要因とその対策を明らかにするものでした。男性100人、女性102人にアンケート調査も実施。「目の前で女性が倒れた場合、胸骨圧迫(心臓マッサージ)をすることにためらいはあるか」の質問に男性の60%が「ある」と答え、「倒れた女性にAEDを使用することにためらいはあるか」の質問には男性の57%が「ある」と答えた結果などを紹介しました。男女ともに異性への処置をためらう傾向があることも判明しました。長谷川さんは、命を「助ける側」を守るという視点の必要性も提起。そして女性バイスタンダーの抱える不安が無視されたり、男性傷病者への社会的配慮が不十分にならないように、性別を問わず『傷病者のプライバシー』全般に配慮することが重要であると述べました。受賞後は、「春から私は消防官(消防士)として勤務します。女性も男性も等しく助けられるような社会を実現できるように頑張ってまいります」と決意を述べました。

人文学部教授の中山文男女共同参画推進室長からは受賞した学生3人に表彰状と副賞の図書カードが贈られました。優秀賞の飯綱さんは「女性たちが闘ってきた意義を残さなければいけないと思って取り組んだ」、田中さんは「1年次生のころに立ち上げたファッションサークルの活動、また教職課程で培ってきた問題意識を形にできた」と受賞の言葉を述べました。中山室長は「男性の発表者も増え、年々素晴らしい発表会になってきたのがうれしいです。私自身の研究の参考にしたいような視点もありました。男女共同参画推進活動の成果が出てきました」などと講評しました。

「要旨集」と「論文集」は、ポートアイランド第1キャンパスD号館4階の男女共同参画推進室でご覧いただけます。

氏名学部タイトル
飯綱 萌
GC
台湾人「慰安婦」とその支援について-阿媽・支援者の声を中心に-
浦 萌唯香
人文
21世紀美容整形論
後藤 夢葉
人文
女性による女性アイドルプロデュースの手法-指原莉乃の歌詞分析を中心に-
髙柳 結衣
人文
白拍子の文化史的位置づけに関する研究
田中 愛桜
GC
ファッションから見るセクシャリティへのこれからの考察
時本 拓実
人文
祭りに参加する女性-灘のけんか祭りから-
徳岡 美有
人文
茶屋と芸娼妓に関する花街の史的研究
長谷川 雄一
現代社会
女性に対するバイスタンダーのBLSとその普及について
本田 清夏
人文
結婚のデメリットとメリット-大学生の聞き取り調査を中心に-
山野 摩桜
人文
同性カップルの結婚観
※GC:グローバル・コミュニケーション学部