男女共同参画推進宣言・体制・報告書
男女共同参画とジェンダー平等の実現に向けて

備酒 伸彦
学校法人神戸学院は2022年度に創立110周年を迎えました。1966年度に栄養学部1学部から始まり、2025年度60年の節目を迎える神戸学院大学は、この半世紀余で10学部13学科大学院8研究科、学生数1万1千人余を擁する神戸市内最大規模の私立総合大学にまで発展しました。
本学の学部ごとの女性学生比率(2024年度)を見ますと、栄養学部の77.6%を筆頭に、薬学部61.1%、心理学部56.0%、グローバル・コミュニケーション学部50.7%と続き、大学全体として38.3%という状況です。グローバル・コミュニケーション学部が設置される前年(2014年度)と比較しますと、実数で585名女性学生が増加し、比率で2ポイント上昇しています。
教員・事務職員に目を転じますと、「第2次男女共同参画推進計画2023-2027」における数値目標「教員の上位職(准教授以上)における女性比率:目標30.0%(2027年10月1日時点)」に対して、現在(2024年度)は25.9%(文系26.1%、理系25.4%)となっており、「教員・事務職員管理職位者の女性比率目標:20.0%以上(2027年10月1日時点)」に対して、現在(2024年度)は18.5%(教員20.0%、事務職員17.1%)となっています。未だ数値目標には届いていないものの方向は上向きであることから、これを維持し、目標達成に向けた取り組みを一層進めたいと思います。
さて、ここからは数字を離れて男女共同参画にかかわることについて、私の経験からお話ししたいと思います。
私は高齢者ケアの専門家として20年余を現場で過ごし、家庭、地域社会のさまざまな場面でたくさんの人とのかかわりを経験しました。そこでは、ことさら「男女共同参画」という言葉が交わされることはありませんでしたが、暮らしを織りなす人々が男女の区別なく支え合っている姿は、家の中であれ、社会であれ、共同参画そのものでありました。即ち、「男女共同参画」は人の営みの中にあって当たり前の姿でした。ただ、それは個人の力だけでは実現されるものでないことも学びました。
私事に及びますが、妻は私の転勤に付き合い3度の引っ越しと、初めて暮らす土地での出産を経験しながら、ほぼ途切れることなく仕事を続け、今もそのキャリアを継続しています。これができたことには妻自身の意思があったことはもちろんですが、それだけで実現できたものではありません。「保育や教育環境が整っていたこと」、「家族や周辺の人たちが、それが当たり前であると考え、行動したこと」等さまざまな背景があったからこそ実現できたものであると思います。
学長選挙(2024年度)の折に私は「教育職員・事務職員だれもが物心両面で安心して働ける大学とすること」という所信を表明しました。「男女共同参画」に向けた取り組みはこれを実現するために不可欠なものです。みなさまと共に当たり前の環境づくりに進んで参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(2025年4月)
神戸学院大学男女共同参画推進宣言
神戸学院大学は、「真理愛好・個性尊重」の建学の精神のもと、自主的で個性豊かな良識のある社会人の育成を教育目標としてきました。半世紀あまりの歴史を重ね、現在は9学部7大学院研究科を有し、学生数1万人あまりを擁する関西有数の文理融合型私立総合大学へと発展してきました。
今後さらに少子高齢化、人口減少が進む社会においては、多様な人々が互いの存在を尊重しながら、その個性と能力を発揮していくことが、一人ひとりの豊かな生活を実現していくためにも、社会の持続的な発展のためにも、重要になってきます。そこで神戸学院大学ではこれまで以上に、互いの個性を尊重しながら、自己の可能性を引き出し、社会で活躍できる人材の養成に努めてまいります。
とりわけ、男女が互いの人権を尊重し、多様な生き方や価値観を認め合い、ともに意思決定過程に参画することが必要です。学生がその能力を十分に伸ばせるよう、次世代育成に取り組む教職員が教育・研究・大学運営にその能力を発揮できるよう、神戸学院大学では、男女共同参画推進室を設置し、以下の三つの基本方針に沿って取り組みを進めることをここに宣言します。
基本方針
- 多様な個性や価値観を生かした人材育成とキャリア形成支援を一層進めます。
- 家庭・地域・大学等の調和のとれた生活を重視し、その実現に向けた仕組みづくりと意識改革を進めます。
- 大学運営における意思決定過程への男女共同参画を推進します。
2017年4月1日
神戸学院大学
神戸学院大学男女共同参画推進体制(組織)
神戸学院大学「男女共同参画推進宣言」5周年の歩み報告書

「男女共同参画推進宣言」
5周年の歩み報告書
「神戸学院大学 男女共同参画推進宣言」(2017年4月1日)から5年間の本学の男女共同参画推進の歩みをまとめた『神戸学院大学「男女共同参画推進宣言」5周年の歩み報告書』を2022年3月に刊行しました。
この5年間で具体的に実施してきた事業、参加者の声、5年間の成果と課題、5周年フォーラムの報告、これまでの男女共同参画ニュース等を掲載しています。
冊子をご入用の方がいらっしゃいましたら、男女共同参画推進室までご連絡ください。
【男女共同参画推進室】danjokyodo@j.kobegakuin.ac.jp