神戸学院大学

研究・産学官連携

神戸市

神戸市では、大学等との連携を進めていくために、「大学等」と「地域」、「産業界」、「行政」の連携に関する神戸市のワンストップ窓口を企画調整局つなぐラボ内に設置し、さまざまな産学官連携事業・助成金を公募しています。
神戸市で公募されている、これら産学官連携事業・助成金についての採択状況を紹介します。

アーバンイノベーション神戸

神戸市の地域課題・行政課題の解決等を目的とした、若手研究者の研究活動経費を補助する制度(一般助成型)です。
また、神戸の地域経済に大きな影響を及ぼしている、脱炭素化などを含む中長期の物価高騰への対応策等を目的とした調査研究に対して、研究活動経費を補助する「物価⾼騰等対策」を含めた二つのタイプに現在、採択されています。

【一般助成型】土壌中の炭素貯留による低炭素社会の構築のための学校校庭の芝生化と有機農業の推進

現代社会学部 講師 菊川 裕幸(2022年度に採択され、2023年度も継続となります。)

本研究の目指す最終目標は、「学校校庭の芝生化」および、「農地への有機肥料の施用」による土壌中への炭素貯留量の増加ならびにその定量化により、「神戸市地球温暖化防止実行計画」における新たな二酸化炭素吸収源対策を実現することです。
また、これらの取り組みについて、学校現場で児童・生徒を対象とした環境教育の一環として、有機農業の推進のための教育・普及活動を展開します。この学校現場と農業現場の両輪で行う取り組みを「神戸市地球温暖化防止実行計画」においても新たに位置付け、将来的には「こうべCO2バンク」によるクレジット申請も目指します。

【物価高騰等対策】工業排ガスからのCO2選択的回収: コンパクトかつ高効率的システム化開発

薬学部 教授 稲垣 冬彦

この緊急募集された制度には、8件の申請に対し、本学を含め5件のテーマが採択されました。
稲垣教授の研究室では、従来不可能とされてきた耐水性のCO2選択的回収剤の開発に成功しました。これは、疎水性官能基をもつアミン(アラルキルアミン)がCO2と反応すると、その親媒性に逆らって自己組織化し、”逆脂質二重膜構造”を形成するという新たな発見によるものです。本発見により、CO2加熱濃縮時に水加熱分のエネルギーが不要となりました。 本研究では実用化の実現を目指し、コンパクトかつ高効率的な工業排ガス中のCO2選択的回収のシステム化開発を目指します。