Episode8
Episode 8
防災啓発活動

防災女子

神戸学院大学現代社会学部の女子学生有志によるグループ。
2014年の立ち上げ以降、「女性ならではの視点」から防災を身近なものにするため、さまざまな防災啓発活動に取り組んでいる。

日常の食品も、災害食に早変わり。
あっと驚くアイデアと女子力で
防災の輪を広めたい!
國松 万熙
さん
現代社会学部4年次生
※2023年取材時
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私たち防災女子は
ひとりでも多くの人に防災意識を広めます

私たち防災女子は、「女子力で災害を乗り切っていこう」をコンセプトに防災啓発活動に取り組むグループだ。地域や企業からの依頼を受け、防災の意識を広めるためにさまざまな活動をしている。例えば、「災害食」というと、乾パンや缶詰を思い浮かべる人が多いと思うが、私たちが提案するのは、お米や卵などの食材を使って作る「災害食」。企業や自治体とコラボし、「いつもの食事から災害に備える料理教室」と題して、ワークショップを開催している。そんな防災意識の啓発に日々いそしむ「防災女子」のメンバーは、私を含めた4年次生2人と3年次生3人、2年次生7人、そして1年次生12人。コロナ禍が落ち着いたため対面での活動も再開でき、多くの新入生が続々入部してくれている。防災女子のリーダーとして、将来が非常に頼もしい。

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災害の恐ろしさを教えられた幼少期。
地元を守りたいという気持ちが今の活動に

私が生まれ育ったのは四国・高知県。幼い頃から、「南海トラフ地震」が地元にも大きな影響を与えると聞かされて育った。「災害って怖いんだな」そんな風に思いながら暮らしていたある日、東日本大震災が発生。遠く離れた地域で起こった地震なのに何時間も津波注意報が続き、自然の脅威に大きなショックを受けた。この経験から私はいつしか、地元を災害から守るためにどうしたらよいのだろうかと深く考えるようになり、防災を学ぶために神戸学院大学現代社会学部社会防災学科へ進学。コミュニティ防災や復興まちづくりについて学ぶ中で、防災を伝える活動もしていきたいと考えていた時、SNSで「防災女子」の活動を知った。「女子力で災害を乗り切っていこう」というコンセプトは私にはとても新鮮にうつり、先輩方の姿はきらきらと輝いて見えた。自分が活躍する将来を思い描きながら、防災女子としての活動をスタートすることになった。

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防災を身近に感じてもらうための試行錯誤が
私自身の成長にもつながっている

コロナ禍の影響もあり、初めて対面形式のイベントを開催できたのは、2年次生のときに開催された防災イベント「明石のヒーローアカデミア」だった。最初は、どのような伝え方をしたら興味を持ってもらえるのか分からず、先輩方のやり方をただ必死にまねするだけだった。先輩方は、相手の年齢や属性に応じた話しかけ方をしていた。例えば、子ども相手であれば「これなら簡単だから、やってみてね」と優しい雰囲気で伝え、親子で来場されている方には「ローリングストックの備蓄方法を実践することで、家族の命を守ることができるんですよ」といった感じだ。こうしたやり方を取り入れ、実践していく中で「これならできそう!」「防災のハードルが低くなった」とのお声をいただけることがとても嬉しかった。また、2年次生の時は広報担当として、SNSを通して防災女子の活動を発信することに。メンバーの表情がわかる写真を選んだり、感じたことをありのまま文章にしたり、ハッシュタグをつけてみたり…試行錯誤する中でSNSからの依頼も増えていった。

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私がリーダーとして防災女子をまとめてこれたのは、気さくで優しいメンバーのおかげだ。メンバーの明るさが、「防災は堅苦しいものではない」という来場者へのメッセージにつながっている気さえしている。防災女子は、来年で10周年を迎える。先輩たちから受け継いだ「やってみたくなる防災」をこれからも伝えていけるよう、後輩たちにもしっかりと引き継ぎ、さらにパワーアップした防災女子を作っていきたい。

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Profile
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國松 万熙
さん
現代社会学部4年次生 ※2023年取材時

防災女子を束ねるリーダー。コロナ禍もオンラインを活用して活動を継続するなど、先輩から引き継いできた防災女子の活動を盛り上げている。高知県庁への入庁が決まっており、大学で学んだ防災についての知見を生かして地元に貢献したいと意気込む。