神戸学院大学
アメリカンフットボール
ジュニアクラブ
震災があった神戸の子どもたちのために何かできないか。そんな地域連携・地域貢献をめざして、2012年4月に日本初となる神戸学院大学所属の「アメリカンフットボール ジュニアクラブ」を設立いたしました。
アメリカンフットボール競技を通じて、地域の子どもたちが健康で明るく、人間的に豊かに成長、発展していくことを目的としています。
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指導の手ごたえを感じる。
それは、自分の成長を実感する瞬間でもある。
大学入学と同時に開いた、新しい挑戦の扉
体格に恵まれていた私は、高校時代の野球部の恩師のすすめで、大学からアメリカンフットボールを始めた。当初は、野球とは異なる身体の使い方に慣れなかったが、トレーニングを重ね、徐々に楽しさがわかるようになってきた。
そんな私の挑戦の支えとなっているものが、二つある。一つは、私と同じく高校時代を野球部で過ごし、大学でアメフトを始めた仲間たちの存在。幼少期からのアメフト経験者もいるなかで、ともに切磋琢磨している。そして、もう一つが、アメフトの指導を通じて出会った子どもたちの笑顔だ。
子どもたちの熱い気持ちに熱意で応える
子どもたちとの出会いは、神戸学院大学が地域連携・地域貢献として取り組んでいるジュニアクラブだった。ほかのアメフト部員やコーチ、保護者とともに、小学生にアメフトを指導したり、一緒にプレーを楽しんだりする。また、ジュニアクラブが定期的に主催する大会の運営や審判などを行っている。子どもたちを指導するのは、想像以上に難しく、意図をなかなか理解してもらえないことも多い。特に低学年の子どもたちは集中力が続かず、練習中に気が緩んでしまうこともある。そこで、私は指導に自分なりの工夫を取り入れた。
練習の時には楽しさだけでなく、時には真剣な雰囲気を醸し出すことで、子どもたちが集中して取り組んでくれるようになった。そして、指導の中で心がけているのは一人ひとりに合った指導をすること。元気のある子、人見知りをする子、よくしゃべる子、物静かな子…いろいろな性格の子どもたちがいる。その子の特性に合わせた声かけやコミュニケーションで、誰もが楽しめるチームとなることを大切にしている。
一番の感動を覚える
指導をしていて一番やりがいを感じるのは、子どもたちの成長を目の当たりにしたとき。しばらく見ないうちに、いつの間にか上達している様子を見たときや、教えたプレーが試合の中で成功したときには、自分のことのようにうれしい気持ちになる。
印象に残っているのは、低学年の子が疲れて地面に座り込んでしまった際、上級生がその子に手を差し伸べ、「一緒に頑張るぞ」と励ましながら試合に臨んでいたこと。その試合には負けてしまったけれど、チームとして、子どもたちの成長を感じられる瞬間に感動を覚えた。
アメフトの楽しさを子どもたちに伝えたい
アメフトを始めたばかりの頃は自分が小学生を教えるなんてできるのだろうか、と戸惑いもあった。友達同士で遊びながらルールを覚えていく小学生のほうが、自分よりも詳しいということも少なくなかった。しかし、子どもたちに教える中で、基本を思い出したり、自分のプレーを振り返って別の戦略を考える機会が生まれたりすることに気がついた。今では、教えることが自分のプレーの再確認や向上につながっていると確信している。
アメフト部員として小学生に教えるのも、あと一年。その間に、アメフトだけでなく、人として大事なことも伝えていきたい。私は、子どもたちを指導することで、「純粋にスポーツを楽しむ気持ち」の大切さに気づかされた。この気持ちを大切にし、自分自身がアメフトを楽しみ、また人として模範となるふるまいをすることで、子どもたちの成長の手助けができればと思う。アメフトが得意な子も、なかなか上達できない子も、アメフトを通じてみんなにスポーツの楽しさを知ってもらうことが、今の私の目標だ。
大学入学時にアメリカンフットボールを始める。ポジションはディフェンスライン。
将来は、スポーツで培ったコミュニケーション力を仕事で生かしながら、引き続き指導者としてアメフトの魅力を子どもたちに伝えたいと考えている。