神戸学院大学

全学教育推進機構

「プロジェクト学習基礎」で学生たちが企業の抱える課題の解決策について最終発表を行いました

2024/01/24

但陽信用金庫:西村さんへの発表の様子
但陽信用金庫:西村さんへの発表の様子
コープこうべ:西條さん・山本さんへの発表の様子
コープこうべ:西條さん・山本さんへの発表の様子

1年次生以上を対象に開講している共通教育科目(キャリア教育分野)「プロジェクト学習基礎」において、12月19日・20日、1月10日にかけて各企業・組織の方々にお越しいただき、中間発表で指摘を受けたフィードバックをもとに、提示された課題に対する解決策を提案しました。

【11月中間発表の様子はこちら

■企業の人手不足を解消するには
“よろず相談所”として地元に根ざした金融機関である「但陽信用金庫」人事部の西村太志さんが提示した「企業の人手不足を解消するには」という課題に、本学学生を対象にアンケート調査を実施するなど、試行錯誤しながら取り組みました。

労働環境を充実させることが新規雇用者の獲得につながると考え、男性の育児休暇取得率の向上を提案したグループは、育児休暇を取得しやすい環境を作る施策として、雇用形態をメンバーシップ型(業務内容などを限定せず、割り当てられた業務に従事する雇用システム)からジョブ型(業務内容などを定義し、その業務にのみ従事する雇用システム)へと転換することを提案しました。これにより、それぞれの担当業務を明確にすることで、育児休暇取得のハードルとなっている他の社員への業務の引継ぎを効率化できると説明しました。

西村さんからは、「論文・書籍の閲読やアンケート調査を通して、提案を根拠づける情報やデータがよく調べられており、中間発表よりも自信をもって発表できていた。今回の提案を社内でも共有し、他社にはない子育て支援制度を考えるきっかけにしていきたい」との講評がありました。

■「ターゲット2030」の実現を目指して地域の「つながり」をテーマにどんな取り組みができるか
宅配事業や店舗事業、電力事業など、くらしに関する事業を数多く展開する「生活協同組合コープこうべ」人事部の西條慶子さん、山本周作さんが協力したクラスでは、「コープこうべのビジョン『ターゲット2030』の実現を目指して地域の『つながり』をテーマにどんな取り組みができるか」という課題に、実際に足を運んで現地調査を行うなどして活動的に取り組みました。

地域住民とのつながりを創ることを目的に、子ども食堂の開催を提案したグループは、子ども食堂を運営するうえで必要となる食材の調達先として、フードバンクやコープこうべの提携農家・漁業組合などから調達するといったコープこうべの強みを生かした具体策を提示しました。

西條さん、山本さんからは「SDGsに取り組み、環境に配慮しているコープこうべだからこそできることとして子ども食堂に着目した点がよかった。また、プレゼンテーションでは現場の状況を含めた提案にすると説得力も増す。今回、自分たちの目で見て感じることができたのはいい経験になったと思う」との講評がありました。

後期15回の講義を振り返り、「プロジェクト学習基礎」を担当する全学教育推進機構の吉澤飛鳥講師、上田浩樹講師が以下のメッセージを寄せました。

吉澤飛鳥講師
時代の変化のスピードが早い昨今、「考える」ことの重要性が増しています。学生には、課題の根本にある真因をあぶりだすこと、自分の想いを述べるだけではなく、論拠をもって伝えることを学んでもらいました。企業のリアルな課題を考えることは、学生が社会に目を向け、自らのキャリアに向き合う契機となったことでしょう。

上田浩樹講師
各企業様から提示された課題に向き合うなかで、表面的に他者と関わるのではなく自身の意見をきちんと言語化し相手に伝わるように丁寧に伝えることの難しさを感じたのではないでしょうか。また、他者との関わり合いの中で物事を進めていくためには、受け身ではなくメンバー全員が主体的でないと進まないということにも気がついたことと思います。今回の学びや気づきから自身を成長させるために、どのような大学生活を過ごすのかを考える機会になれば幸いです。

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上記のほか、授業に協力いただいた企業は次のとおりです。
・株式会社神防社
・株式会社デジアラホールディングス
・株式会社トモエシステム
・白鶴酒造株式会社
・フジッコ株式会社
・兵神装備株式会社
・まねき食品株式会社
・株式会社村上工務店