産官学連携で新規就農者を育成する「楽農アカデミー」の開講式を有瀬キャンパスで実施しました
2024/04/17
新規就農促進のために神戸市が創設した「神戸ネクストファーマー制度」を活用して新たな農業従事者を育てる「楽農アカデミー」の開講式が4月13日、有瀬キャンパスで行われました。
楽農アカデミーは本学とJA兵庫六甲、神戸市が産官学連携プログラムとして企画し、2023年度からスタートしました。農家の高齢化や後継者不足は年々加速し、それに伴って遊休農地も増加しています。神戸市もその例に漏れず、農業を取り巻く環境は厳しくなっています。今年は14人の受講生が農業の諸課題解決に向けた、新たな挑戦を始めました。
120時間のプログラムは、農作物栽培の基礎から販売方法までのノウハウを持つJA兵庫六甲、現代社会学部・経営学部・栄養学部を擁する本学、行政施策で農家を支援する神戸市のそれぞれの強みを生かして準備されており、農業の実践と経営に生かすことができる内容です。講義は本学有瀬キャンパスで行い、実習は神戸市西区伊川谷町の井吹南営農組合管理の圃場で行います。また、楽農アカデミーは神戸市の大学都市産官学プラットフォームの社会人リカレント教育としても紹介されています。
2期生は26歳から63歳までの14人(男性11人、女性3人)で、開講式には全員が出席しました。まず、本学の田中康介副学長が「楽農アカデミーでは農業生産に加えて、販売方法の工夫や消費者のニーズに合わせたブランディングが重要であり、こうした経営に関することもしっかりと学んでほしい」とあいさつで述べました。続いて、JA兵庫六甲の藤本隆司常務理事より「新規就農者の多くが失敗を経験している。楽農アカデミーではまず講義で必死に勉強してもらい、農業の理論構成を体得してもらいたい」とのあいさつがありました。神戸市の椿野智弘農政担当局長からも「楽農アカデミーの1期生は、修了後、小規模農地を借りて農業を始められている。2期生の皆さんも将来の農業の担い手として頑張っていただきたい」とのあいさつがありました。
最後に2期生を代表して、大阪府内でIT関係の仕事をしている中原遼一さんが「知人が週末農業を実践していることを知り、楽農アカデミーに興味を持った。普段は自然や植物と触れることが少ないので、講義や実習を楽しみたい。また、農業はまだまだ一般に知られていない部分も多いので、将来的には自分でブランドを立ち上げて、しっかりとPRしていきたい」と語り、熱い期待と学ぶ意欲が伝わりました。
開講式終了後は早速、現代社会学部の菊川裕幸講師による講義が始まり、「慣行農法と有機農法の違い」や「肥料の3要素」、「育苗から定植まで」を学びました。午後は圃場に移動して、圃場の整備やトマトの定植を行いました。このように講義で学んだことをすぐに実践で生かせるのが楽農アカデミーの特徴の一つです。定植したトマトが受講生の皆さんと共にしっかり育っていきますように。
※開講式の様子は「サンテレビNEWS」でも取り上げられました。
出典:サンテレビNEWS『働きながら農業を学ぶ 楽農アカデミー第2期スタート』2024.4.13