神戸学院大学

国際交流

「総領事館連携講義」で駐神戸韓国総領事館の李相烈総領事が講義しました

2023/10/12

講義する李相烈総領事
講義する李相烈総領事
中村学長らを表敬訪問した李総領事
中村学長らを表敬訪問した李総領事
学生の質問に答える李総領事(左、右は国際交流センターの岡部所長)
学生の質問に答える李総領事(左、右は国際交流センターの岡部所長)
最後に受講生で記念撮影
最後に受講生で記念撮影
質問した学生と記念撮影する李総領事(左から4人目)
質問した学生と記念撮影する李総領事(左から4人目)

国際交流センターが企画した「総領事館連携講義」が今年度もスタートし、初回は駐神戸・大韓民国総領事館の李相烈(イ・サンヨル)総領事による講義が10月11日、ポートアイランド第1キャンパスで開かれました。有瀬キャンパスともオンラインで結びました。

講義に先立ち、李総領事は中村恵学長と住智明大学事務局長、同センターの岡部芳彦所長を表敬訪問し、講義の要点や最近の日韓関係、若い世代の交流の進展への期待などについて懇談しました。

李総領事は東京の大使館で2度勤務した経験があり、流ちょうな日本語で「韓日関係の未来」と題して講義しました。大使館や総領事館の業務や文化活動についての説明から始まり、江戸時代に何度も日本を訪れた朝鮮通信使との善隣友好や、日本による朝鮮半島の植民地支配などに見られる両国の明と暗の歴史、北朝鮮による弾道ミサイルの相次ぐ発射やロシアによるウクライナ侵攻など両国が直面する国際情勢、未来志向の両国関係への期待についての話は豊富なデータと知見に基づいていました。

質疑応答に移り、グローバル・コミュニケーション学部の学生が「韓国で人気のあるスポーツは何ですか」と質問しました。李総領事は「プロスポーツは日本と同様に野球、サッカー、バスケットボールなど。アマチュアスポーツなら特に年配の人たちには登山が人気です。マラソンやトレイルランニング、eスポーツも愛好家がたくさんいます」と答えました。

現代社会学部の学生は「好きな日本料理は何ですか」と質問しました。李総領事は、「何でも好きですが、神戸では、ぼっかけ焼きそばです」と、日本通ならでは意外な回答でした。「関西の薄味料理はいいですね」とも語りました。

法学部の中国人留学生は「韓国と中国との関係は良くないのでしょうか」と質問しました。李総領事は「中国は韓国にとって重要な国です。中国と韓国との年間貿易額は3000億ドルを超え、これは韓日、韓米間の貿易額を合わせた額よりずっと多い金額です。中国と韓国はさらなる友好親善を進めていきます。韓日中の3カ国の枠組みで実務者会議が先日、中国で開かれたことなどの動きもあります」と、学生の懸念を打ち消しました。

このほか、現代社会学部の学生は日本にない韓国の徴兵制度による成人男子の兵役義務や兵役免除の特例についての実態を尋ねました。李総領事は「私も2年2カ月兵役に就きました。働き盛り、遊び盛りの時期にあたりますが、人気ミュージシャンも兵役に就きました。ただ、スポーツ選手なら(オリンピックなどの)国際大会で金メダルを獲得した人は免除されています。これからは少子化で兵役の人的資源が減少します。私がこの問題でいつも思うのはフェアネス(公正・公平さ)ということです。兵役を忌避するために渡米して国籍を米国に変えた芸能人がいましたが、未だに韓国の地を踏めていません。この事例が何を意味するかを考えてください」と答えました。