Cross Talk:女性教員座談会「人間心理学科の魅力とは & Close Up:学びの領域紹介/ゼミ・レポート vol02
- 何となく研究職というと一般的に年配の男性のイメージが強いと思いますが、本学科は男女を含めて若い教員もたくさん活躍されています。そのことは、学生の教育だけでなく、学問的な幅を広めることにもなっていると思います。
- そうですね。それと同時に、年齢層も幅広くてそのバックグラウンドが多彩であることは、学生を指導する際にも好影響を与えているのではないでしょうか。
- 女子学生は特に、「なんで今の職業を目指したの?」などといった質問をよくしてきます。同じ女性として、自分たちの将来像の参考にしようとしているのだと思います。例えば、専業主婦のお母さんを見て育った女子学生などは、社会で働くことの不安をよく相談してきたりします。そんなときは、「仕事をするうえでの性差はほとんどないので大丈夫」といったことをアドバイスしたりしますね。
- 私も、学生にとっては彼ら、彼女たちの将来の“ロールモデル(手本)”に教員がなっているのかなという印象ですね。特に、結婚して子育てをしながら研究職をバリバリこなしておられる長谷川先生は、女子学生の憧れの的になっていると思います。
- “ロールモデル”になっているかはわかりませんが、よい面、悪い面も含めて学生の将来の選択肢のひとつとして、私たち教員が参考になっているのではと思うことはあります。
- 私の場合は、大学を卒業後に民間企業に勤めて高校の教員も経験した後、大学院に入学して研究職に就きました。こうした経験から、女性の生き方の多様性ということだけでなく、学生全般にとって、人生においては数多くの選択肢があるということは伝えることができるのではと思います。就職活動で悩む学生にも、一度就職に失敗しても何度でも人生はやり直せるとアドバイスできるのは強みですね。
- 心のあり方を、脳科学の側面からアプローチ。脳の損害によってあらわれる症状について研究し、あわせて、介護方法やリハビリテーションについても学びます。
- 医療心理学領域では、基本的な脳の仕組みを学ぶための病院実習を3年次前期に実施しています。長谷川教授は、脳の解剖モデルを用いながら医師である別の教授とともに学生を指導。学生は、医学的な側面から心の動きを学びます。ゼミ生の約半分は、臨床心理士や言語聴覚士を目指して大学院や専門学校に進学。毎年数名が資格を取得し、医療現場で働いています。
- 実際に人と接して、ストレスや心身症などに悩む現代人の心のケアを学ぶ臨床心理学を中心に学習。カウンセラーなどの専門職につながる講義も行います。
- 臨床心理士でもある土井准教授は、メンタルヘルスケアの分野が専門。土井ゼミでは、精神的な病の予防のほか、元気なひとがより活き活きと生活できるための方法を考える「ポジティブメンタルヘルス」の領域を学ぶことができます。グループワークを中心にアートセラピーなどの技法を取り入れ、学生自身の気づきや成長に活かせる授業を行っています。