神戸学院大学

総合リハビリテーション学部

総合リハビリテーション学部の小川准教授とゼミ生の論文が学会機関誌に掲載されました

2021/10/20

小川准教授(左端)と、研究論文をまとめた(左から)生嶋みのりさん、坂口美沙さん、富田創さん
小川准教授(左端)と、研究論文をまとめた(左から)生嶋みのりさん、坂口美沙さん、富田創さん
論文が掲載された「作業療法教育研究」
論文が掲載された「作業療法教育研究」

総合リハビリテーション学部作業療法学科の小川真寛准教授とゼミ生3人(4年次生)の研究論文が日本作業療法教育学会の機関誌「作業療法教育研究」第21巻第1号(2021年9月発行)に掲載されました。

■コロナ禍 臨地実習の経験不足は作業療法士採用判断に影響? 
論文のタイトルは「新人作業療法士に対する採用担当者の採用判断についての調査研究~新型コロナウイルス感染症による臨地実習の経験不足が及ぼした影響~」です。執筆したゼミ生は生嶋みのりさん、富田創さん、坂口美沙さんです。

昨年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、病院などの出入りが難しくなったため、実習が「臨地」でできない状況になりました。本学を含む作業療法士養成施設では、これまでは必須だった臨地実習を経験できないことで、就職への影響について不安を抱える学生が多くみられます。採用担当者はそれについてどう感じ、対応しているかについて調査した研究です。

■「採用に影響しない」74% 学生に安心感与える結果に
論文によると、小川准教授とゼミ生らは、日本作業療法士協会の会員所属施設410施設に昨年10~11月に無記名のアンケートを郵送し、228通の返信がありました。回収率は55.6%です。「貴院において採用判断する際に、臨地での実習経験の有無や量が影響すると考えますか?」の問いに、「影響しない」と回答したのは169件(74.1%)、「影響する」と回答したのは57件(25.0%)、無回答が2件(0.9%)でした。

「影響しない」理由として回答の自由記載を分析したところ、「実習より面接などの試験内容を重視しており、就職後の指導が必要と考えるため」「どの養成校・入職する学生もとも同じように影響が大きい状況であるため」「新人対応は少なからず必要で、学校での教育を補うために卒後教育があるため」のような施設側の受け止め方が浮かび上がりました。

論文は「考察」で、「作業療法士が多く所属する多くの施設で実習経験の有無や量が採用判断に影響しないと考えていることが明らかとなった。このことは多くの学生が実習に行くことができず不安を感じているまま就職活動をした現実を考えると、安心感を与える情報になると考える」と、まとめています。

小川准教授は「学生と取り組んだ研究結果は、臨地実習による経験だけでなく、学生が社会性や人間性を身につけられるように養成校や学生自身が早い時期から対策に取り組むことの必要性も示唆していると思います」と、述べています。