作業療法学科の川上さんが学会の学術大会で発表した論文が学生優秀演題賞を受賞しました
2021/12/17
総合リハビリテーション学部作業療法学科4年次生の川上純平さんが第37回 日本義肢装具学会学術大会で発表した論文が学生セッションで優秀演題賞に選ばれました。長倉裕二大会長名の「Student Investigator Award」ファイナリスト賞と書かれた賞状も10月17日付で授与されました。
川上さんの論文の演題は「小児用筋電義手の操作体験が与える影響」。兵庫県立リハビリテーション中央病院(神戸市西区)では、先天性上肢欠損児が装着する「筋電義手」については、医師と作業療法士が使用者へのオリエンテーションを口頭説明と動画を用いて行っていました。川上さんは、筋電義手に触れたり、操作体験をしてもらったりして肌身で体感してもらうことがさらに有効だと考えました。
そこで、総合リハビリテーション学部の学生40人(男性18人、女性22人)を対象に従来のオリエンテーションに加え、操作体験をしてもらい、筋電義手に対する理解がどう変わるかを調べました。大きさ・サイズ・幅▽力加減・タイミング▽機能の限界――など計50問を考え、二択方式で答えてもらい、筋電義手のイメージと理解度を調べました。
結果を解析計算すると、操作体験を行った人たちは行っていない人たちに比べて、設問の正答率が統計学的に5項目で有意に高く、2項目では有意に低いことが分かり、正答率が高いほど理解が深まったと感じている人も多い結果となりました。「操作体験は筋電義手の理解を上昇させる一定の役割があると言える」と結論づけています。
しかしながら、今回の被験者は子どもを持たない20代の健常者ばかりのため、本来オリエンテーションを実施すべき上肢欠損児を持つ保護者で同じ変化が見られるかは不明で、今後の研究の課題だとしました。
川上さんは「指導していただいた大庭潤平教授、兵庫県立リハビリテーション中央病院の作業療法士の方々のご支援のおかげです。実験から論文作成、学会発表まで全て楽しみながら進めていけました。大きな学会で学生の身分で発表する機会を与えていただき、うれしく思います。今後も作業療法、義肢装具の発展に寄与するよう努めます」と話しています。