矢嶋教授が担当する大学院人間文化学研究科歴史情報論専門講義Ⅰで大阪府千里丘陵のフィールドワークを行いました
2023/07/19
大学院人間文化学研究科歴史情報論専門講義Ⅰ(矢嶋巌教授が担当)を受講する修士課程1年目の院生4人が7月15日、大阪府吹田市の千里丘陵においてフィールドワークを行いました。テキストとして使用した専門書で取り上げられていた近代の東京における鉄道敷設と郊外住宅地開発に関する章を閲読したことをきっかけにして、類例の痕跡がみられる現地を訪ねました。
4人は大津恒輔さん、佐治美咲さん、内藤 進さん、三葉龍祐さん。受講生がいずれも歴史情報論講座に所属していることや、地歴科専修免許や学芸員資格の取得を目指している院生がいることから、中学校地理や歴史、地理総合、日本史探究の教科書に記載される事例を実地で学ぶとともに、大学博物館の見学も行いました。
まず、大正時代の私鉄敷設と郊外住宅地開発、私鉄による大学昇格を目指す旧制専門学校の移転誘致を取り上げた関西大学年史資料展示室の企画展示を見学しました。この後に同じ建物にある関西大学博物館本館の考古展示物を見学しました。続いて千里丘陵の谷底平野へ移動し、都市水害防止を目的に吹田市によって設置された上の川洪水調整池を視察したのち、戦間期に開発された代表的郊外住宅地である千里山住宅地に残る中央ロータリーの噴水広場を視察し、近隣の喫茶店店主に住宅地の歴史に関する聞き取り調査を行いました。
その後、阪急電車で豊津駅に移動し、駅前にある上の川付け替え工事に関する史跡や説明板、記念碑を確認したのち、千里丘陵の南端に建つ垂水神社の境内にある縄文海進(末尾に広報グループ注)時の海食崖から湧出する垂水の滝とそれに因む万葉集の歌碑を見学しました。最後に、上の川の旧流路が天井川であった痕跡を確認し、フィールドワークを終えました。
注:「縄文海進」とは、縄文時代早期~前期に海面上昇により現在の海岸線より内陸まで海が広がっていたこと(海進)を言います。
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