現代社会学部の江田英里香准教授が「貿易ゲームで世界を知ろう!~世界経済の仕組みと経済のグローバル化!~」を開催しました
2023/11/15
現代社会学部社会防災学科の江田英里香准教授が11月11日、KOBEこども大学「貿易ゲームで世界を知ろう!~世界経済の仕組みと経済のグローバル化!~」を、グランフロント大阪北館ナレッジキャピタルで実施し、小学生とその保護者8組14人が参加しました。当日は江田准教授が講師を務め、ゼミ生の5人がアシスタントを務めました。
貿易ゲームとは、紙を「資源」、ハサミや定規等の道具を「技術」に見立てて、三角や長方形など指定された図形を作成し、マーケットで売り、チームごとの利益を競うことで貿易を疑似体験する一種のボードゲームのようなものです。今回は大人だけのチームを4つ、子どもだけのチームを4つ作り、合計8チームに分かれてゲームを行いました。
図形は決められた大きさでなければ、マーケットで売ることができません。また、封筒の中身は紙(資源)が多いグループ、道具(技術)が多いグループなど偏りがあり、製品を作って稼ぐにはグループ間の交渉が不可欠です。
参加者は、販売価格が高い製品や作成しやすい図形を多く作成していましたが、途中、需要と供給のバランスの変化により、それまで高価格で買い取られていたものが安くなるなど価格変動が起こりました。また市場全体から紙がほぼ無くなった際に、何も道具を持っていない国(チーム)で新たに紙が5枚発掘された瞬間、すべての国(チーム)が紙を求めて殺到する様子も見られました。参加者は価格や状況の変化に戸惑いながらも、物々交換や労働力の提供といったお金以外の交渉を行うなど、各チームの状況に合わせた工夫を行い、何とか利益を最大化させようと白熱した雰囲気となりました。
ゲーム終了後の振り返りでは、グループごとに工夫した点や頑張った点を発表し参加者全員で共有しました。その後、配られた封筒の中身について江田准教授から説明がありました。封筒の中身の違いは世界の国々の状況の違いを表し、道具は「技術」、紙は「資源」、お金は「資本」に見立てていたという種明かしがありました。また、途中で起きた価格変動は国際的な貿易の仕組みや協定の変化、グループ間で行った交渉は自由貿易や国際協力を表していることを説明しました。発展途上国の生活として、カンボジアの写真を使いながら日常生活の様子を紹介するなど、ゲームを通して自由経済がもたらす格差やこれからますます進むグローバル化した世界がもたらす多様性について紹介しました。また、発展途上国に住む人々が即ち不幸なわけではないことも紹介しました。
参加者からは「初期段階でかなり低価格で道具を提供してしまった」「しっかりと紙の切り方を考えることで稼ぐことができた」「紙(資源)をくれたら、図形を作って半分の利益をあげると交渉したが、うまくいかなかった」などといった感想がありました。
江田准教授は参加者の小学生に対して「今日をきっかけにさまざまな国や地域についてこれからたくさん知っていってほしい」と締めくくりの言葉を送りました。