現代社会学部現代社会学科主催の市民公開講座を丹波篠山市で開催しました
2024/11/18
丹波篠山市のハートピアセンターで11月17日、現代社会学部現代社会学科主催の市民公開講座「若者とローカルメディアでつくる明るい農村」を開催しました。創立100年を迎えたローカルメディアの丹波新聞社と共催し、丹波篠山市などの農村をフィールドとして活動してきた人々による講演や事例発表、パネルディスカッションを行いました。県知事選や丹波市長選、丹波市議会議員選挙も同時に開催されており、会場参加者は約30人に留まりましたが、ウェブでの参加者は延べ80人となり、アットホームな講座となりました。
基調講演では「金型と中子(末尾に注)の一貫生産」を手掛けてきた小野市にある株式会社藤原の藤原弘三氏による、「これまでの取組とまちづくりやローカルメディアの在り方」と題した話がありました。藤原氏は山田錦生産地の中でも最高峰の山田錦が生産される特A地区の活性化を目指し、「NAKAGO」ブランドを立ち上げました。農業が抱える諸課題解決のために、自社で6ヘクタールの酒米栽培を展開し、地元の名前を付けた日本酒「松沢」などを商品化。多様な事業を展開し、当初5人だった従業員は28人まで拡大。「自分たちがやっていることを自慢できる、自分たちの地域を自慢できるといった目標を掲げ、さらなる地域活性化に尽力している」との姿勢に参加者も多くを学びました。
事例発表は4人の活動について発表がありました。最初は現代社会学科の菊川講師が「丹波篠山市における地域資源活用の取組」として、放置竹林の整備や竹の利用法について発表しました。次に丹波新聞社記者の森田靖久氏が「ローカルメディアの役割と地域デザイン」について、ローカルメディアの存在意義や地域と歩んできた丹波新聞について発表を行いました。さらに、県立篠山鳳鳴高校の生徒による探究活動、「サルの獣がい対策」の取組として、多くの人に獣がいについて知ってもらうためのハンドブックづくりを行っていること、現代社会学科学生による「丹波篠山山賊ワイルドラン」の取り組みとして、9月下旬に行われた同イベントの効果や課題、展望について発表がありました。
パネルディスカッションは、丹波篠山市今田地域で地域づくりのコーディネート事業を展開している団体「SATOYAKUBA」の田林信哉氏をファシリテーターに迎え、講演者、事例発表者の6人が登壇しました。ディスカッションでは、地域活動を発展させるためには「共感」が重要であり、しっかりとした「つながり」を作っていくことが大切であること、そのためにはなぜ、その活動を行うのか、その目的をはっきりとさせることが必要であると結論付けられました。
参加者からは「地域でのさまざまな取り組みを知ることができた。自分の住んでいる地域でも参考にしたい。つながりづくりも進めていきたい」「若者の活動に感銘を受けた。地域も一体となってこうした活動を盛り上げていきたい」といった声がありました。
なお、今回の講座は丹波新聞社のYoutubeチャンネルで配信されています。視聴はこちら
※注:中子とは、空洞がある鋳物を造る時に空洞にあたる部分として鋳型の中にはめ込む砂型のこと。