神戸学院大学

現代社会学部

社会防災学科の学生4人がパプアニューギニアの高校生と災害や防災について議論しました

2024/09/25

アクティブスタジオで開かれた交流会
アクティブスタジオで開かれた交流会
自己紹介し合う本学の学生とソゲリ高校生
自己紹介し合う本学の学生とソゲリ高校生
発表するソゲリ高校生
発表するソゲリ高校生
発表する吉川さん(左)と長谷川さん
発表する吉川さん(左)と長谷川さん
発表する藤原さん(前方右から2人目)と青木さん(同3人目)。右端は通訳する長谷川さん
発表する藤原さん(前方右から2人目)と青木さん(同3人目)。右端は通訳する長谷川さん
ソゲリ高校生を案内し、阪神・淡路大震災の被害を説明する本学の学生たち
ソゲリ高校生を案内し、阪神・淡路大震災の被害を説明する本学の学生たち
大震災の火災による樹木の焦げ跡を示す青木さん
大震災の火災による樹木の焦げ跡を示す青木さん

現代社会学部社会防災学科の江田英里香教授と同学科の3、4年次生4人が9月17日、ポートアイランド第1キャンパスのアクティブスタジオで来日中のパプアニューギニアの高校生と合同で災害や防災についての研究や活動の状況を発表し合い、交流を深めました。

一行は今年建学80年のソゲリ国立高等学校12年生(日本の高3に相当)の4人。ジョー・エガンダさん、デイビッド・ロマさん、イウア・アルニアさん、リナ・ノザワさんです。日本パプアニューギニア文化交流会が受け皿となって9月13日に来日し、18日まで本学など各地を訪問しました。4人は同校附属仙台育英&ソゲリ日本語センターに所属しており、簡単な日本語の会話もできました。同センターアドバイザーを務める石井靖也・同文化交流会副会長が現地から同行、現地事情に詳しい一般社団法人南太平洋協会の濱崎三枝子理事長にも同席してもらいました。

交流会では、まずグループに分かれて自己紹介し合い、打ち解けました。続くソゲリ高校生の発表では、エガンダさんがマイクを握り、気候変動の影響もあってパプアニューギニア国内で相次いでいる災害の発生状況と追いつかない対応策について紹介しました。今年5月24日に発生したエンガ州ワバグの地滑りでは2000人以上が土砂に埋められ、少なくとも670人以上が死亡したとされます。2018年2月26日に発生した南部ハイランド州の地震はM7.5で、当初の報道では67人が死亡と伝えられました。1998年7月17日に起きたサンダウン州の津波は4メートルの波が3回押し寄せたといい、報道では2000人以上が命を落としたとされます。

防災のため、地滑りを防ぐために斜面に木を植えたり、津波被害を防ぐために防潮堤を築いたりしていることも報告されましたが、大災害に多数見舞われながら、国際援助の手が十分届いていないことが分かりました。

本学からは、吉川颯太さん(4年次生)と長谷川雄一さん(同)が「災害大国日本」「日本の災害」と題して発表しました。特に阪神・淡路大震災の被害がなぜ大規模になったかについて、①建物の耐震基準が今より厳しくなく倒壊家屋が多かった②阪神高速道路の橋脚が倒壊し、自宅に帰れない人が多かった③消防職員の不足と消火用の水不足――などを挙げました。さらに、大震災の教訓として、初期消火やボランティアの重要性の認識が高まり、災害時の消防や医療体制の見直しも進んだと話しました。また、2人が所属する「学生消防団」の活動についても写真を示しながら紹介しました。

また、青木翔佑さん(4年次生)と藤原勝利さん(3年次生)は、他大学の学生も参加している「若者防災協議会」の活動について写真や動画を見てもらいながら紹介しました。

午後には、本学の学生たち4人はJICA関西での防災についての講話に同席。その後は青木さんと藤原さんの案内で神戸市のJR新長田~鷹取駅間に残る阪神・淡路大震災の爪跡を訪ね、ソゲリ高校生に発生当時の様子を説明しました。