ジャーナリストの藤原亮司さんの写真展「もう存在しないガザの日常」がポーアイ図書館入口ゲート横ギャラリーで始まりました
2024/11/13
今年5月と10月に「空の見える監獄 ガザで何が起きている?」をテーマに現代社会学部の授業で講演したジャパンプレス所属のジャーナリスト、藤原亮司さんの写真展「もう存在しないガザの日常」がポートアイランド第1キャンパスA号館2階ポーアイ図書館入口ゲート横ギャラリーで11月11日から始まりました。11月28日まで開催、入場無料です。
展示は9枚のカラー写真パネルで構成し、藤原さんによる趣旨説明やガザ地区周辺の地図もあります。藤原さんは、パレスチナ、シリア、ウクライナ、ドネツク、レバノン、イラク、アフガニスタンなど、イスラム圏諸国を中心に取材し、国内でも在日コリアンの歴史や、原発事故及び震災関連の取材を続けています。
2023年10月7日、ガザ地区とイスラエルの境界近くで開かれていた音楽イベントをハマスの戦闘員が襲撃したことをきっかけとして、イスラエル軍によるガザ地区への大規模な攻撃がエスカレートし、ガザの人々の命と尊厳が奪われ続けて1年以上たちました。
最初のハマスの襲撃以来、イスラエル軍の激しい攻撃にさらされ、人々は大家族でロバや徒歩でガザ地区の北部から南部へ避難しましたが、ガザ中が日々爆撃され何度も避難を余儀なくされています。
また、10月7日以前は、1日500台以上分のトラックによる支援がありましたが、その日以降、トラックによる国連など支援の搬入はほぼ止められ、食糧や水、医療、衛生などの不足により、飢餓、皮膚病、ポリオなどによる爆撃だけではない大量虐殺の状態にあります。
10月7日以前のガザ地区の失業率は「実質70%を超える」と言われており、人々はガザから出ることは許されず、「空の見える監獄」の下、占領しているイスラエルではなく、日本を含む国際社会や国連によりずっと支援されてきました。70年以上、ガザの人々は支援を受けつづけて自らの尊厳を奪われ、報道では「イスラエルとの衝突」と伝えられる圧倒的な武力の差による弾圧に耐えつづける間、人々には確かな営みがありました。
企画した現代社会学部の水本有香教授は「ガザの人々のこれまで失われたものの大きさは計り知れません。藤原亮司さんの写真を通して10月7日以前のガザの人々の生活、それ以降の1年を考えていただく一端となれば幸いです。図書館では、利用者を対象とした貸出可能な関連図書展示も行われています」と呼びかけています。
同写真展は、有瀬図書館本館2階エントランスコーナーでも開催予定(2024年12月6日~12月22日の予定ですが変更の場合あり)です。写真は展示替えを行いますのでこの機会に所属するキャンパス(一般の方は最寄りのキャンパス)とは異なる図書館でもどうぞご覧ください。