現代社会学部社会防災学科の前林ゼミ生が附属中学校の生徒に対し「震災学習」を行いました
2024/01/17
現代社会学部社会防災学科の前林清和教授のゼミ生は防災教育・社会貢献活動の一環として、毎年、附属中学校の生徒に対し「震災学習」を行っています。
この度、1月11日にポートアイランド第1キャンパスにおいて前林ゼミ2年次生が中学1年生65人に向けて「阪神・淡路大震災」について、3年次生が中学2、3年生146人に向けて「風水害」について講義を行いました。
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から29年。2年次生が担当した「阪神・淡路大震災」についての講義では、講義を担当するゼミ生も、受講する附属中学1年生も、ともに震災後世代にあたります。
はじめに、ゼミ生は「マグニチュード」と「震度」の違いについて、「マグニチュード」は地震そのものの大きさ(規模)を表し、「震度」は各地の計測震度計により観測される揺れの強さであると説明しました。そして阪神・淡路大震災のマグニチュードが7.3であること、2024年1月1日に発生した能登半島地震のマグニチュードが7.6であることに触れ、「二つの震災のマグニチュードは数値で表すとわずかですが、地震としての大きさの差はどれくらいあると考えますか」と問いかけました。続けて「能登半島地震の大きさは阪神・淡路大震災の3倍に相当するもので、そのことを念頭におきながら講義を聞いて、一緒に考えてほしい」と語りかけました。
災害対策における「自助・共助・公助」については、地域やコミュニティが協力して助け合う「共助」が阪神・淡路大震災では着目されたこと、さらに阪神・淡路大震災が発生した1995年をボランティア元年と呼ぶことに触れ、人と人とのつながりや助け合いの大切さについて熱を込めて語りました。
講義後半は、被災時に配慮する点、望ましい行動などをクイズ形式で紹介し、ゼミ生と中学生は終始笑顔を交え活発に言葉を交わし、震災への理解を深めていました。
結びとして「災害は忘れたころにやってくる」として、「元日に発生した能登半島地震もいったい誰が予想していただろうか。誰しもがなぜ、今なのか?と現実を受け止めきれなかっただろう」と語りかけました。そして、「今回の講義を聴いて、震災は過去のものではなく、今も起こりうるものだという認識を持ってほしい。そして震災について考える時間を持つことが震災への備えにもつながる」と話しました。
「風水害」についての講義では、風水害の印象を生徒に聞いたのち、実際の様子を交えた動画を視聴し、風水害が発生した際の避難等について、クイズ形式で授業を進めていきました。
ゼミ生は、状況に応じた行動が必要になることを説明しました。例として、災害による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する施設、または場所としての「指定緊急避難所」と災害の危険性があり、避難した住民等が、災害の危険性がなくなるまでの必要期間の滞在や災害により自宅に戻れなくなった住民等が一時的に滞在することを目的とした「指定避難所」の違いを伝えました。さらに、災害時の避難指示について、警戒レベル4「避難指示」で全員が必ず避難しなければならないこと等を詳しく説明しました。
中学生らは「阪神・淡路大震災のことは知っているものだと思っていたが、講義を聴いて知らないことも多く、とても学びになりました。今後の生活でも役立てていきたい」「災害の状況よって行動が変わることが理解できた」などの感想を寄せました。