現代社会学部の水本教授が阪神・淡路大震災について学ぶウクライナ人学生に講演しました
2025/01/28
現代社会学部の水本有香教授が1月26日、阪神・淡路大震災について学ぶウクライナ人学生に英語で講演しました。学生たちはロシアによるウクライナ侵略が始まってから来日した避難者で、ウクライナ学生支援会(JSUS)や国際協力機構(JICA)が支援しています。講演は、ウクライナの復興支援に向けて、阪神・淡路大震災からの神戸の復興の過程で得た知見が役立てられないかという趣旨で企画されたフィールドワークの一環です。本学ポートアイランド第2キャンパスに所在する在神戸ウクライナ名誉領事館が協力することになりました。
ウクライナ人学生17人は、神戸市中央区の「人と防災未来センター」を視察後に来学しました。神戸学院大学松口正記念ウクライナ研究センターで、水本教授の「阪神・淡路大震災からウクライナへの教訓」と題した講演を聞きました。
続いて、在神戸ウクライナ名誉領事で、兵庫県ウクライナ復興プロジェクトチームのアドバイザーを務める岡部芳彦国際交流センター所長より、県のウクライナ支援についてのプレゼンテーションがありました。
ウクライナ人学生たちからは、阪神・淡路大震災ではなぜ近隣住民による救助率が高かったのか、仮設住宅に住んでいた住民はその後どうなったか、またコミュニティーの再建過程で問題は生じなかったのかなどかなり深い質問が出て、活発な議論が行われました。
その後、隣にある在神戸ウクライナ名誉領事館で懇親会が開かれました。岡部名誉領事は「皆さんが今日学んだことは必ずウクライナの復興で役立つと信じています」とウクライナ語で挨拶しました。
2022年6月に有瀬キャンパスで「発行されなかった卒業証書展」を開催し、今はウクライナ学生支援会で、学生たちをサポートしているマリヤ・ボンダレンコさんは「災害の専門家で、ウクライナ侵攻やチョルノーブィリ原発事故について詳しい水本先生による講演やその後のディスカッションのおかげで、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、ウクライナの復興の戦略について学生に考えてもらうことができました。交流会(懇親会)では、名誉領事館の壁に貼ってあるウクライナ国旗や地図、伝統的な飾りに囲まれて、母国に帰ったような雰囲気でウクライナ学生同士が意見交換し、日本語の勉強や就職活動の難しさについて率直に話し合い、幸せなひとときを過ごせました」と語りました。