「楽天ヴィッセル神戸」の渉外部部長兼スタジアム営業部部長が現代社会学部の授業で特別講演しました
2023/10/30
現代社会学部の岡崎宏樹教授の授業で10月25日、「楽天ヴィッセル神戸」の渉外部部長兼スタジアム営業部部長の菊地隆之さんが「ヴィッセル神戸的、地域共創について」のテーマで特別講演しました。プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」を運営する同社と本学が展開しているパートナーシップ事業の一環で実現しました。
菊地さんは、神戸市出身で広告代理店などを経て2007年から同社で勤務し、営業部の要職を経て今年から現在の役職となりました。ヴィッセル神戸は10月30日現在、J1リーグ首位をキープしており、菊地さんは「チーム成績だけでなく、クラブ経営、収益、ファンの数も含めてアジアのトップクラブを目指しています」と目標を語りました。
独自に運営するオウンドメディアでは、インスタグラム、YouTubeともにフォローワー数はJ1リーグ18チームの中でも断然トップを占めており、集客も好調で、「コロナ禍後は20代前後の観客が増えた」といいます。
「渉外部の役割と地域戦略について」の話題では、渉外部のミッション(使命)は収益最大化とクラブブランディングだとし、その成果は(行政、企業、学校などとの)連携数、マネタイズ金額、コラボ内容などで「定量的」に評価されることを示しました。
ヴィッセル神戸がホームスタジアムとして使っている「ノエビアスタジアム神戸」の管理を2018年から10年間契約で同社が受託しているのも運営面では大きな強みとなっています。スタジアムを使った事業が企画できるほか、スタジアムの改修も独自に進めることができ、「地域貢献の幅が広がっている」とのことです。
Jリーグではクラブの本拠地を「ホームタウン」と呼んで「地域社会と一体となったクラブづくり」を行うことになっています。ヴィッセル神戸では、地域との交流、学校訪問授業「夢で逢えたら」の開催、認知症の人たちのサポート活動、都市型貸農園「ノエスタ農園」の開設をはじめ、「ヴィッセルに関わるすべての人を幸せに」を合言葉に社会連携活動やまちづくりに取り組んでいることが菊地さんの説明で分かりました。SDGsへの取り組みの詳細も数字で示されました。
最後に「ノエビアスタジアム神戸」について、2002年のサッカー日韓W杯に合わせて建設されたスタジアムで、ラグビーのW杯などの国際試合も行われたことがあるとの説明がありました。開閉をそれぞれ20分で実施できる開閉式屋根の全天候型で、人工芝に一部自然芝を混ぜた「ハイブリッド芝」を採用。経済産業省とスポーツ庁による「多様な世代が集う交流拠点スタジアム・アリーナ20選」にも選ばれたことなども紹介されました。受講した学生は、「サッカークラブというイメージのあるヴィッセル神戸のイメージががらっと変わりました」「スポーツ観戦よりもヴィッセル神戸が取り組んでいる活動に興味・関心が出てきました」と感想を述べました。地元のプロサッカーチームとスタジアムの運営の実情を知り、スポーツ振興とまちづくりについて学ぶことができました。