料理研究家のコウケンテツ氏がNHK大学セミナーで現代社会学部の学生らに講演しました
2024/07/11
現代社会学部の江田英里香教授が担当する「ボランティア論Ⅰ」の講義の一環として、7月3日にNHK大学セミナーを実施しました。このセミナーは全国各地の大学で行っている企画で、この度はNHK神戸放送局と神戸学院大学が共同で開催。料理研究家のコウケンテツ氏が講師として「世界の台所ですべて学んだ~食文化の歴史が照らす光と影~」をテーマに講演し、200人ほどの学生が参加しました。
はじめに、コウ氏より料理研究家としての仕事や活動について紹介がありました。家庭でご飯を作る人たちを支援するためにレシピを考案し、雑誌やインターネット、テレビやラジオなどを通じて多くの人にレシピを紹介すること、さらには映画や小説に関する評論も行う等、ライフスタイルに関わる領域で幅広く活動されていることが分かりました。
次に、世界各地を旅しているコウ氏が食文化を通じて学んだことについて話しました。
例えば、ホームステイ先で現地の料理を作る際、買い出しはホームステイ先の方と一緒に行い、ホームステイ先の台所で料理を作る等、独自に旅のルールを決めているそうです。現地の方がよくいくお店や、現地にしかない調理器具や食材・調味料を使うことでよりそこの食文化を感じ体験することができるからです。また旅先では、現地の文化や習慣は“すべて受け入れる”スタンスをとることで、その地域にある歴史的・社会的な背景に触れることができる等、食文化を通じて見えてくるモノから多くを学ぶことができると語りました。
続いて、毎年、東日本大震災で被災地となった大槌町にボランティアに行っているコウ氏が、ボランティア活動を継続する上での心得について「人によっては被災地の人々と深く関わり、何とかしたいと思うが故に、自身の精神が不安定になることがある。無理をせずボランティアを長く継続するためにも『心と身体に余裕がある人(時に)がボランティアをやるべき』」と学生らに自身の経験を基にアドバイスを送りました。
最後に自身の失敗や経験を交えて「何かを始めるときに“お金のことは考えない”でほしい。お金が財産になるのではなく、自分のストーリーが財産になる。そのストーリーとは自分が生きた経験が築き上げてくれる!」と学生らに力強くエールを送りました。
講義を聞いた学生からは「事前に旅先の文化を調べておくことが重要だと感じた」などコウ氏の生き方や考え方に共感した感想が多くありました。また「コウさんが旅をした中でおすすめの国や文化はありますか」と質問も投げかけられ、大盛況のうちにセミナーを終えることができました。