神戸学院大学

総合リハビリテーション学部

公開講座フェスタ2023 「何が変わった?子どもの頃と今。健康づくりのためにしっておきたいこと」を開催しました

2023/12/07

西垣千春教授
西垣千春教授
講演の様子
講演の様子
講演の様子
講演の様子

11月14日、阪神奈大学・研究機関生涯学習ネット主催による公開講座フェスタ2023において、総合リハビリテーション学部総合リハビリテーション学科の 西垣千春教授が「何が変わった?子どもの頃と今。健康づくりのためにしっておきたいこと」をテーマに、子どもの頃と生活スタイルが変容する現代を、健康で生き抜くための健康づくりについて講演しました。

阪神奈大学・研究機関生涯学習ネット(略称HSNネット)は本学を含めた大阪府、兵庫県の19の大学・研究機関で構成しており、高度で良質な生涯学習機会の提供を目的とした組織です。公開講座フェスタは平成10年度から始まり、参加大学・研究機関によるリレー講座を行っています。

冒頭、西垣先生は「健康とは病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも精神的にもすべてが満たされている状態のことである」と述べ、厚生労働省が3年ごとに実施する大規模調査『国民生活基礎調査』を示しながら、人々の健康達成に影響するライフスタイルの変容について説明しました。

調査のひとつである『世帯数と平均世帯人員』においては、60年ほどの間に世帯数は3倍になり、1世帯当たりの人員が半減していること、また『高齢者の世帯構造』においては高齢者のみの世帯が6割を超え、3世代世帯が1割を切っていると述べました。さらに平均寿命の延伸や高齢者・若者・女性単身世帯の増加などの調査結果を示した上で、今も常に少子高齢化が進行続けており、それにより深刻化する心身の健康を損なう課題解決が急務であると受講生に熱を込め語りかけました。

続けて「対策として何をすればいいか考えてみましょう」「あなたにとって頼れる人は何人いますか?どれくらいの頻度で連絡しますか?」と受講生へ問いかけ、課題解決の方向性として社会保障について触れました。対症療法が危機的限界を迎える中、予防の視点を持つことが重要であると説明しました。

そして日常的に接する人数や交流頻度が影響する心身の健康満足度について、人数や頻度が増加するほどに満足度が向上することから、受講生自身が「誰かのひとりになれるにはどうしたら良いか」「自身や家族の健康維持のため誰かと出会うための機会を得るためにどうしたら良いか」を考え、公共サービスや地域包括支援センターといった地域資源を活用してほしい。人と人とのつながりを増やすこと、健康の維持・向上においては長期の変化を見据えたプランニングが重要であるとの説明には、受講生は終始うなづきを交え聴き入っていました。

最後に結びとして、「今日、感じたこと、分からなかったことは、是非自分で調べて欲しい。そして、現代を健康で生き抜くためにどうしたらいかを、今一度、考えてみて欲しい」と述べ、誰かの「頼れる人」となれるのか、また「頼れる人」との関係をどのように構築していくのかを自ら模索していく必要があると課題提示しました。

講座終了後の質疑応答でも受講者から活発な発言があり、「高齢化社会の現代に、とても興味あるテーマでした」「1人で健康に生き抜くことを目標に頑張ろうと思いました」などの感想が寄せられました。