総合リハビリテーション学会学術集会を開催しました
2024/12/10
第19回神戸学院大学総合リハビリテーション学会学術集会を11月30日、有瀬キャンパスメモリアルホールで実施しました。総合リハビリテーション学部開設(2005年)から20年、大学院総合リハビリテーション学研究科開設(2009年)から15年の記念大会とし、135人が参加しました。総合リハビリテーション学部として3学科が集っていること、20年前とは社会が大きく変わっていることを再認識し、今後の学部・研究科のあり方について考える機会となりました。
学会長の糟谷佐紀教授に続き、春藤久人学部長、藤原瑞穂研究科長が開会あいさつしました。続いて大阪医科薬科大学リハビリテーション医学教室の佐浦隆一教授の「総合リハビリテーションの現状と課題」と題した特別講演がありました。
佐浦教授はリハビリテーションの目的は「日常生活に適応、適合させること」であり、患者には最大限の自立度を回復させることや地域社会に「再定住」するよう努力してもらうことが必要だと述べました。またリハビリテーションには医学、教育、職業、社会の四つの側面があり、医学的リハビリテーションの源流は放射線科であり、現在の物理療法につながったと述べました。さらに、「ヒトの営みの基本である『活動』に着目し、その賦活化を図る過程」がリハビリテーション医学だと定義づけ、「リハビリ医療チームは多職種の参画する医療であり、各専門職が専門分野を超えてチームの果たすべき役割を共有し、チームに課せられた課題を達成することが大切です」と強調しました。
後半は、「総合リハビリテーション学部・研究科の進むべき道」のテーマで社会リハビリテーション学科の宮崎清恵教授と理学療法学科の岩井信彦教授、作業療法学科名誉教授の古川宏・大阪人間科学大学保健医療学部教授のパネルディスカッションがあり、春藤学部長と藤原学科長が座長を務めました。
宮崎教授は「社会福祉士の実習実施施設になった保健医療施設で、学生にはソーシャルワーク実習に参加してもらっています。その施設で、卒業生が実習指導の担当をしてくれることも大きな喜びです。学生も教職員も卒業生のみなさんもこの大学、学部を愛してください。キーワードはコミュニケーションです」と呼びかけました。
岩井教授は「理学療法士の仕事も専門分化、細分化、技術の高度化が見られますが、総合的な視野が求められることを忘れてはなりません。自職種だけでなく他職種との連携の手法を学び、特定分野の専門職であると同時に、幅広い知識と見識を持ったジェネラリストであってください」と強調しました。
古川名誉教授は「総合リハビリテーション学部の総合という意味を良く考えてください。IPE・IPW(専門職連携教育・協働)の実施と4年間の継続が大切です。学部生にはチーム医療を担う人材として育ってほしいです。この大学には素晴らしいアメニティ施設があり、最大限に活用してイベントを行ったり、学術的なチャンスを利用したりしてください」とのメッセージを伝えました。
最後に糟谷教授が閉会あいさつしました。
この後、開催した懇親会では、中村恵学長、西本誠實学校法人神戸学院理事長のあいさつがあり、住智明大学事務局長が乾杯の発声をしました。総合リハビリテーション学部関係者らは「教職員、教職員OB、卒業生、在学生が一堂に集う有意義な会となりました。学部と研究科の発展に向けて努力して参りますので、引き続きご支援・ご協力をお願いします」と話しています。