薬学部が神戸市立医療センター中央市民病院との連携協定による特別講義の第1回を実施しました
2024/08/05
薬学部の橋田亨教授と杉岡信幸教授が担当する「薬剤学特論Ⅰ」の授業で8月5日、神戸市立医療センター中央市民病院との教育・研究連携協定に基づく第1回の特別講義がありました。
特別講師は同病院循環器内科医長の村井亮介医師と、本学卒業生で同病院薬剤部の木下恵薬剤師でした。循環器の疾患と治療に焦点を絞り、臨床現場での業務の紹介から薬剤師の役割について学びました。元同病院薬剤部長の橋田教授が司会を担当しました。
村井医師は「循環器疾患の臨床と薬物治療」のテーマで語りました。心不全に至るまでにはどのような病気が影響しているか、有効な治療の方法、特に薬物療法について詳しく紹介してもらいました。心不全の治療にはチーム医療が欠かせません。同病院内では多職種からなる「心不全チーム」のケースカンファレンスを定期的に開催し、地域では神戸地域一体化リハビリテーションコンソーシアム「CURE-KOBE」が患者を支えるために神戸の医療機関や介護ケア施設が連携して活動していると述べました。
一方、木下薬剤師は「心不全チームにおける薬剤師の活動」のテーマで語りました。「心不全チーム」に薬剤師が介入することで、患者が薬の効能を理解し、医師の処方通りに正しく服薬してもらうことができるようになるといいます。心不全患者の薬は多種類になりますが、服用する薬を1袋にまとめてもらうことで飲み忘れや間違いもなくなることが分かりました。また、「心不全チーム」がどのように情報や意見をやりとりしながら1人の患者の治療やヘルスケアにあたっているかを実例で紹介してもらいました。
続いて学生との質疑応答に移り、「チーム医療で地域との連携は今後どうなるのが理想ですか」と質問が出ました。「地域での関係者の連携を目指すCURE-KOBEが稼働していますが、事業者によってシステムが違うので、患者さんの状態を把握するために必要な情報のやりとりがまだスムーズにはいかないこともあります。情報共有システムの浸透が必要です」と村井医師が答えました。木下薬剤師は「転院先の病院だけでなく、退院して自宅に帰られた患者さんに対しては薬局薬剤師の方との情報の共有などの連携が大事です」と答えました。