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神戸学院大学

薬学部

薬学部中川公恵教授による土曜公開講座「人生100年時代、骨の健康、考えていますか?」を開催しました

2023/12/14

薬学部の中川公恵教授
薬学部の中川公恵教授
講座の様子
講座の様子

12月2日、ポートアイランド第1キャンパスで薬学部の中川公恵教授による「人生100年時代、骨の健康、考えていますか?」を開催し、148人が参加しました。

冒頭に中川教授は、「平均寿命」について、「2000年代の日本の『平均寿命』は、男性が81.41歳、女性が87.45歳と世界で1番長いことで知られていますが、明治時代は43歳でした。100年の間に40歳も長生きできるようになった要因は、衛生環境が良くなり、薬の開発が進み病気が治りやすくなったためです」と説明しました。一方で、「元気に生活できる期間である『健康寿命』は男性が72.68歳、女性が75.38歳となり、平均寿命より短くなっています。骨折や転倒、関節疾患などの運動器の障がいが原因で、支援や介護が必要になることが多いためです。そのため、骨の健康を考え、健康に過ごすことができれば、100年生きることも実現できる時代です」と「健康寿命」についても解説しました。

続いて中川教授は、「女性では閉経を迎える50歳頃を境に、急激に骨量が減少し、骨粗鬆症や骨折を起こすリスクが非常に高くなります。骨の健康は目に見えませんから、日頃から骨の健康を意識し、骨密度検査を受診したり、適度な運動や骨に必要な栄養を摂取したりすることが重要になります」と骨の健康について説明。受講者は骨の健康度をチェックする表に記入しながら、自身の結果を確認しました。

骨に必要な栄養素について、カルシウムだけでは不十分で、ビタミンDやビタミンKも必要であることや、カルシウムは1日に700~800mgの摂取が理想的であることを解説しました。さらに、「カルシウムの吸収を促進して骨形成を高めてくれるビタミンDは、日光浴を行うことで皮膚で合成されますが、高齢になると合成能力が低下するため、ビタミンDを含む魚やきのこ類を摂取することが必要です。また、骨にカルシウムが沈着するのを助け、骨質を維持する働きがあるビタミンKは、ほうれん草や小松菜などの緑色野菜、納豆やチーズなどの発酵食品から摂取することができます」と詳しく語りました。ビタミンD・ビタミンKの生理機能および疾患予防・治療への応用性に関する研究は中川教授の専門分野であるため、内容を繰り返し説明しました。受講者はビタミンDの摂取度をチェックする表にも記入し、自身の食生活を振り返りました。

今回の講義をもちまして、2023年度秋季土曜公開講座全6回の講義が終了しました。足をお運びいただいた多くの受講者様に、感謝申し上げます。
次回は2024年春季土曜公開講座を有瀬キャンパスで実施予定です。