神戸学院大学

栄養学部

栄養学部の津川尚子教授が大阪市立総合生涯学習センターとの連携講座で講義を行いました

2024/11/18

講義を行う津川教授
講義を行う津川教授
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者

大阪市立総合生涯学習センターと本学との連携講座「“骨づくり”とビタミン」を11月7日に同センターで開講し、栄養学部の津川尚子教授が講義を行いました。講義は39人が受講し、健康的な骨をつくるための食生活や運動について学びました。

講義の前半では、骨の健康や加齢に伴う骨密度の変化を取り上げました。日本では認知症や脳血管疾患に次いで、骨折や転倒が要介護の原因として上位に位置しています。骨折の部位によっては、日常生活活動(ADL)や生活の質(QOL)の低下に直結するリスクがあり、骨粗鬆症の検診を受けることで、そのようなリスクを未然に防ぐことが重要であると述べました。

後半では、骨の健康を支える栄養としてカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを紹介しました。

カルシウムは骨の強度を保つために重要な栄養素です。日本人の多くがカルシウム不足であることを指摘し、乳製品や小魚、大豆製品などから毎日少量ずつ摂取することを勧めました。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるとともに、骨の形成にも深く関わります。ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が少なくなり血中のカルシウム濃度が低下します。その場合、骨からカルシウムを溶出して補う仕組みがあるため、次第に骨が弱くなることになります。魚類やキノコ類に多く含まれており、日光浴をすることでも体内で生成が可能な栄養ですが、季節によって生成される量が左右されるため、サプリメント等の活用も紹介しました。

ビタミンKは骨のタンパク質を活性化させ、強く質の良い骨を作る役割があり、野菜類や納豆、チーズなどの発酵食品に多く含まれています。特に納豆に含まれるビタミンK2は骨の形成に有効で、納豆の消費量が多い地域では大腿骨近位部の骨折が比較的少ないという研究があることも紹介しました。

受講者は普段の生活で適正な量が摂取できているか、それぞれの栄養についてチェック表を活用し確認しました。

最後に津川教授は骨を強くするために運動も重要であると話しました。ジャンプ、スクワット、ウエイトトレーニングなどの負荷がかかるものが効果的ですが、日常生活の中でよく歩くことなど無理のない範囲で運動することを勧めました。

参加者は「骨粗鬆症にならないために気をつけることがよくわかった」「魚、豆類、野菜などバランスの良い食生活と運動が大切だとわかった」などの感想を寄せました。