栄養学部の藤岡由夫教授と中川輪央助教が「健康づくりサポートプログラム」を実施しました
2023/10/11
栄養学部の藤岡由夫教授と中川輪央助教が10月8日に有瀬キャンパスで、健康づくりサポートプログラム「心筋梗塞や脳卒中予防のための食事を知る~健康寿命を延ばす食品選択能力を磨こう~」を開催しました。
「人生100年時代」高齢者から若者まで、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要であり、教育・ライフスタイル・働き方などを含めて、誰もがWell-Being であることが大切だと言われています。そのような人生を共に歩む「自分の心と身体」へのセルフケアの一助として、創設者・森茂樹博士(初代学長)が抱いた、予防医学への思いを継承し、総合大学の特徴を活かした「健康づくり支援プログラム」を2022年度よりスタート。今年度は総合リハビリテーション学部・栄養学部・薬学部そして心理学部の4学部が「食事」と「運動」そして「心」について考えるプログラムを5つのコースに分けて実施しています。
第2弾となる今回は、午前・午後に分かれて計20人の参加者に、「講義」「栄養相談形式のアドバイス」「栄養チェック」「ケースワーク」の4つのプログラムを通じて、ご自身の日常の食事を振り返っていただきました。
運営スタッフとして、実習助手の山口さや香先生の他、栄養学部生7人や同学部卒業生5人が管理栄養士として参加しました。
冒頭の藤岡由夫教授の講義では、心筋梗塞とはどのような病気なのか、冠動脈疾患の危険因子、コレステロールと中性脂肪との違いや、動脈硬化性疾患予防のための食事療法。そして脳卒中では、脳出血とクモ膜下出血の危険因子の違い、そして血圧を上げる要因等を日常生活に合わせて具体的な説明を行い、心筋梗塞や脳卒中予防のための食事について伝えました。
次に、2グループに分かれて「参加者自身の普段の食事」について考えるセッションに入ります。1つは、参加者が事前に作成した3日間の食事記録を使って、本学の栄養学部を卒業した5人の管理栄養士が個別相談に応じながら、参加者と共に日常の食事を振り返りました。もう1つのセッションでは「食育SATシステム」を使って普段好んで食べている食事で、不足しがちな栄養等のバランスを確認しました。また任意参加のプログラムとして味噌汁を使った塩味の味覚チェック等を行い、参加者ご自身の食事傾向について知っていただきました。最後のセッションでは、これらのプログラムでの学びを踏まえて食品選択能力を身につけていただくために、献立づくりのケースワークを行いました。
人は、1年間で1095回(※1日3食の場合)の食事を行います。日々の食事の積み重ねで私たちの身体はできており、体調に応じて食事を意識することがとても大切です。基本的な五大栄養素の役割を振り返り、ケースワークでは、動脈硬化性疾患予防のための食事療法の中で上げられている「飽和脂肪酸」の摂取を抑えるにはどうしたらよいか、具体的なメニューを使って一緒に考えました。また、ご自宅でも実践いただけるように肉類・卵類、乳製品のコレステロールと飽和脂肪酸の含有量、魚介類のコレステロールとn-3系多価不飽和脂肪酸含有量を食材別に掲載されたグラフを示しながら、食品選択の方法について具体的に説明を行いました。
参加者からは、「身体に良いと思って意識して食べていた食品の中に、一日分の脂質量の半分以上が含まれていることに気づくことができた」や、「とても分かりやすく自宅でも実践してみたい」等のお声をいただきました。
【参加学生の声】
栄養学部3年次生 前田 真洸今回、「体験型公開講座 健康づくりサポートプログラム」の補助をさせていただき、非常に勉強になりました。特に勉強になったことは、コミュニケーション能力についてです。講座の中での管理栄養士の先生方の栄養相談で、臨機応変に参加者の方に合わせた内容を時間内にお伝えするという、机上ではなかなか学べない場面を目の当たりにし、コミュニケーション能力は管理栄養士にとって重要であると改めて感じました。私もこのような栄養指導が出来るように今回の貴重な経験を将来生かしたいと思います。