人文学部の大原ゼミが県立兵庫津ミュージアム初代県庁館を開館前に見学しました
2021/10/28
人文学部の大原良通教授ゼミ(3年次生)が10月21日、兵庫県が建設中の「兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム」(神戸市兵庫区中之島2)のうち、11月3日に先行オープンする「初代県庁館」を開館前に見学し、かつて「兵庫津」と言われた一帯の名所旧跡を同ミュージアム整備室展示企画・運営推進員の曽根佑規さん(学芸員)の案内で訪ね歩きました。
ゼミでは同ミュージアム整備室と連携し、動画共有サイト「You Tube」やSNS(ソーシャルメディア)を通じた発信、ポスターやパンフレットの作成・配布でミュージアムと兵庫津の魅力を学生目線でPRすることにしています。
初代県庁館は、明治改元直前の1868(慶応4)年、大坂町奉行所兵庫勤番所の建物を使って開設された初代の県庁舎があった場所近くに当時の建物を復元しました。知事執務室では机や椅子も再現されており、豪華な造りに地位と権威を感じさせます。裁きの場であった「吟味場(お白洲)」や、町の有力者が詰めた「取次役所」、犯罪の容疑者や囚人を一時的に収容した「仮牢」もあり、内部に入ることもできました。
■平清盛、一遍上人らゆかりの名所・旧跡も巡る
現在の兵庫区南部にあった兵庫津(大輪田泊)は、鎌倉時代には国内有数の港として発展しました。JR神戸駅をスタートして、▽淡路島の豪商・高田屋嘉兵衛献上の灯篭があり、大阪・通天閣にある「ビリケン」と姿形が同じ「ピリケン」も祀(まつ)られている鎮守稲荷神社▽兵庫津の行政組織の一つだった岡方惣会所跡の石碑と昭和の初めから戦災・震災を乗り越えた岡方倶楽部▽「兵庫大仏」が鎮座し、フランス人水兵を負傷させた神戸事件で切腹させられた備前藩の滝善三郎の供養碑などもある能福寺▽平清盛が眠ると伝えられてきた清盛塚(十三重石塔)と琵琶塚▽時宗を開いた一遍上人の墓のある真光寺――など多くの見どころを巡り、曽根さんの詳しい解説を聞きました。
■「県の始まり」についてしっかり学べた
ゼミ生の市川茂茄さんは「私も学芸員の仕事を目指しており、曽根さんの説明のされ方が勉強になりました。現地に来てみたいと思ってもらえるような分かりやすい説明の仕方が大切だとよく分かりました」と、解説がしっかり身についた様子。大津恒輔さんも「兵庫県立の教員を目指していますので、県の始まりについてしっかり勉強することができて良かったです」と満足そうでした、また、香川県出身の十川葵さんは「道すがら、兵庫津ゆかりの史跡などの説明がとても興味深く、神戸事件など知るべきことが多くて勉強になりました」と、話していました。
ミュージアムは「初代県庁館」に続き、展示施設「ひょうごはじまり館」が来年度下期のオープンを予定しています。
兵庫県立兵庫津ミュージアムのホームページはこちら