人文学部の新居田講師が新著『産学連携における大学初年次キャリア教育―地元企業交流を通した自尊感情の醸成―』を出版しました
2024/09/19
人文学部の新居田久美子講師が新著『産学連携における大学初年次キャリア教育―地元企業交流を通した自尊感情の醸成―』(神戸学院大学出版会、2024年)を出版しました。
新居田講師はキャリア教育・社会心理学を専門とし、2017年に本学に赴任しました。人文学部では主にキャリア教育に関する科目を担当しています。
新著は人文学部1年次生向け科目「基礎演習」での教育実践を紹介しつつ、学術的観点から分析を加え、世界的なキャリア教育の潮流に位置づけようとしたもので、人文学部における教育活動が学術的探究と不可分の関係にあることを表しています。
タイトルにも「産学連携」「地元企業交流」とあるように、新居田講師の担当する「基礎演習」では、学生が兵庫県内にある企業の「持続可能な社会の実現」に向けた取り組みを調査し、実際に相手先に出向いてインタビューを行った上でレポートにまとめ、ゼミ内での発表を経て、最終的には調査先企業を招いた学習成果発表会を実施するという、意欲的な取り組みを行っています。
授業で訪問した企業は、株式会社イーエスプランニング、株式会社いづよね、株式会社鍵庄、株式会社神戸サンソ、株式会社ネクストページ、株式会社フナビキ工務店、株式会社ブレストの7社(50音順)で、本書では学生たちが作成したレポートも掲載しています。なお、本学が産学連携協定を結ぶ兵庫県中小企業家同友会の会員企業と本学社会連携グループの協力を得て、この「基礎演習」が実現しました。
新型コロナウィルスの流行がやまない2022年度後期の授業であったため、実施にはさまざまな困難があったようですが、グループワークを中心とするアクティブラーニングによって、学生たちは「個人の力だけでは成し得ない集団の知恵の活用や、励まし合いの相乗効果に気づいてくれた」ようです(本書87ページ)。
また「普段は、消費者の目線でしか、ほとんど見ていなかった業種について、生産者の目線になってモノや技術やサービスを提供していく姿を目にしたことは、就職活動というよりも、さまざまな人生の在り方を理解し、『生きる』ことの視点が広が」る経験につながった、とも新居田講師は分析しています(同上)。
「人文学部は、産学連携やキャリア形成といった話題からは縁遠い学部だと思われがちですが、決してそんなことはありません。人文学部には新居田講師のようなキャリア教育に関する専門家が在籍し、『これからの社会のなかで求められるのはどのような資質・能力か』『大学生活での学びをどのようにしてキャリア設計に結びつけてゆくか』といった見地から研究と教育的実践を行っています。今回の新著はそのような研究・実践の充実した成果です。一人でも多くの方に手に取っていただければと思います」と、学部広報担当の金益見准教授は推薦の言葉を述べています。
【目次】
はじめに
第1章 キャリア教育と近接する専門領域
第2章 大学教育におけるキャリア教育
第3章 学習成果
第4章 評価
第5章 AI時代の大学初年次キャリア教育に期待されるもの
第6章 社会から必要とされる人材とは
第7章 産学連携が果たす役割
おわりに
A5判 200ページ 定価 2,000円+税 ISBN978-4-89985-233-9
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