グローバル・コミュニケーション学部で中国国際放送局日本語部とオンライン交流会を開催しました
2023/06/22
グローバル・コミュニケーション学部中国語コースの大濱慶子教授(学部長)が担当する1年次生対象の「中国語コース入門」の授業で6月21日、元中国国際放送局(中国国際広播電台、略称CRI)日本人専門家の吉村澄代さんの講演と現地アナウンサーとのオンライン交流会を実施しました。国際交流センターが協力し、他のコースや他学部の学生、留学生も対面やオンラインで参加しました。
「こちらは北京放送、中国国際放送局です」で始まる同放送局は世界38カ国の言語、中国語の共通語と四つの方言で約200カ国にニュースや情報番組、教養番組などを発信しているラジオ局です。中国中央人民放送局(中央人民広播電台)、中国中央テレビ(中央電視台、略称CCTV)とともに国営3大放送メディアの一つで、現在は3放送局が統合されて中国中央広播電視総台(ラジオテレビ総局)の傘下に入りました。
終戦後、新中国に残って各専門分野で国家建設に携わったのが「日本人専門家」。今もその名称は使われ、同国の放送局で、吉村さんのような「日本人専門家」はニュースや番組の原稿翻訳、改稿、アナウンサーのアクセントチェック、日本に向けての情報トーク番組への出演など欠かせない存在となっています。
■元日本人専門家の吉村さんが講演
吉村さんの講演の演題は「中国の今を知る―中国国際放送局の番組とそのスタッフとの交流―」。同放送局の開局は1941年の延安にさかのぼり、「ヤオトン」と呼ばれる洞窟式住居の中で放送が始まったといいます。当初は、日本人捕虜の自殺防止のために日本語放送をしたのが始まりだったとされ、歴史の長さを感じました。日本語放送の第一声を発した日本人の女性アナウンサー、原清子さんの紹介もありました。
後半は、同放送局日本語部の番組担当アナウンサーや制作者と本学学生とのオンラインでの交流でした。王小燕(オウ ショウエン)さん、劉叡(リュウ エイ)さん、謝東(シャ トウ)さん、斎鵬(サイ ホウ)さん、任春生(ニン ハルオ)アナが交互に学生の質問に答えてくれました。学生からの質問を募ると、途切れず続きました。「中国で人気の日本の楽曲や映画は?」との質問には、「前の年に中国ではやった音楽や映画を取り上げる新年番組を制作している」という斎鵬さんが「映画ならTHE FIRST SLAM DUNK(スラムダンク)、すずめの戸締まり、ドラえもんや未来少年コナンのシリーズはずっと人気です」と答えました。
「印象に残った番組は?」との質問に斎鵬さんは「机の上を片付ける」というイベントの後に、(ベテランの)王小燕さんに呼ばれ、「机の上になぜ物を置いているの」「どうして机の上がきれいなの」などと会話するトーク番組を作ったことだと答えました。単なる「片付け」は今中国ではやっているという「収納」「断捨離」にまで話題を広げることができたと言います。「その番組を聞いていました」という中国語コースの学生も現れて、トークは盛り上がりました。
「記事の選択基準は?」の問いには王小燕さんが「日本との関係に関するもの、世界でこんな動きが起きていますと中国の人に伝えたいことは取り上げます」と答えました。劉叡さんは「中国の若者の間ではやっているものを気軽に取り上げるなど、今の中国のトレンドを紹介しています」と答えました。
■外国語上達のためにはよく聞き、まねして話す
法学部の留学生は「日本語を(効果的に)勉強するにはどうすればいいですか」と聞きました。日本語部で中国語講座の番組を作っている担当者からは「まずはその(言語の)環境に身を置くこと。難しい場合は音声・映像コンテンツを利用して、よく聞き、まねして話してみる。周りのその言語をしゃべる人と交流すれば上達します」とのアドバイスをいただきました。
今回のオンライン交流会の企画を担当してもらった劉叡さんからは「中国留学を楽しむ」ために、①友だちの輪を広げる②とにかく安くておいしい学食を利用する③料金の安い中国の交通機関を利用して中国旅行をとことん楽しむ――という役に立つ三つの重要ポイントを聞くこともできました。
■言葉は心の扉を開ける
最後に本学を来訪した経験もある王小燕さんから学生へのメッセージとして、「言葉には力がある。心の扉を開ける」として、中国語にも日本語にも共通の「百尺竿頭(100尺もある長い竿の先)」という言葉のプレゼントがありました。日本語では「百尺竿頭に一歩を進む」は、「すでに頂点に達しているが、さらに一歩を進む」という意味です。
オンラインでも濃密なやりとりができて学生たちは拍手で御礼の気持ちを伝えました。
中国国際放送局日本語部のホームページの記事はこちら