さくら銀行元藤井寺支店長の講演会があり、経済学部の学生が受講しました
2023/12/21
さくら銀行(現三井住友銀行)元藤井寺支店長の森一純さんの講演会が11月17日、有瀬キャンパスで開催され、経済学部の三宅敦史教授らが指導する3年次生ゼミの学生が受講しました。
森さんは大学卒業後、旧太陽神戸銀行に入行し、主に融資渉外畑を歩きました。三井銀行との統合によって生まれたさくら銀行(現三井住友銀行)では、藤井寺支店長をはじめ、要職を歴任しました。講演を企画した岡本弥准教授は元銀行員の経歴があり、初任店で副支店長として営業部門を指揮していた森さんが上司だった関係もあり、開催につなげました。
■関心の高い「金融と知識と実践」をテーマに
講演のテーマは「金融と知識と実践」です。長らく続く低金利を背景に、近年、金融リテラシーへの社会的な関心が高まっており、運用や投資への理解を高めることが幅広い世代に求められています。
森さんはまず、預貯金や株式・投資信託が収益を生み出す仕組みを簡単に説明し、次に、投資対象として企業を選んだ場合に分析が必要となる財務諸表のうち、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の見方を概説しました。さらに、従業員への給与の支払いなど、具体的な企業活動がそれらのどの部分に影響するか、しないかに触れ、企業の動きと財務諸表の数字の変化がどのように対応するかを常に意識することが企業審査には重要だと話しました。
また、経済活動で重視される「信用」を「待ってもらうこと」と平易に言い換え、「信用」によって与えられた時間を有効に活用することができれば、資産、売上、自己資本が増え、経済が好循環のサイクルに入ることで世の中が活況を呈してゆく、また、現実の経済は、債権と債務が石垣のように組み合わさって構成されていると説明しました。
その点を踏まえれば、わが国で、依然、ネガティブに捉えられがちな個人による借入行動を問題視する必然性はなく、どう返済するか(一括返済または分割返済)をわきまえて借入を行えばよいと付け加えました。
■投資の原資となる預貯金も大切
講演に参加した学生から、「小さい頃からずっと親や先生に貯金をしなさいと教えられていたが、今の時代、お金を稼ごうと思ったら投資や借金の知識を利用してお金を借りないと稼げないのですか?」という質問がありました。森さんは、「確かにそういう一面もあるが、だからといって預貯金をしなくてもよいということは絶対になく、むしろ(投資の原資となる)貯金はとても大切なことです。逆に投資や借金はリスクも高く、それを見極める目もしっかりと養ってほしい」と答えました。