経済学部の林ゼミで「株の力で世界を変える」と題した特別講義がありました
2024/12/24
経済学部の林隆一教授の2年次生ゼミで12月17日、「株の力で世界を変える」をテーマに特別講義がありました。
「教育と探求社」大阪営業所コーディネーターの植村誠輝さんが司会を務めました。三菱UFJモルガン・スタンレー証券神戸支店の奥副支店長と平野課長、三菱UFJ銀行明石支店取引先第一課の松尾課長を特別講師に招き、ワークショップ形式で株投資や経済について学生がグループ討議しました。
まず「株とは何か?」を考えるため、「株」で思いつくワードを書き出し、その中から「これこそが『株の力(機能や役割)』だ」と思うものを選び、理由を共有しました。4グループから出たワードと理由は、「FX」(当たれば億万長者)、「お金が増える」(上がったら資産が増える)、「不労所得」(働かなくていい)、「優待」(株主優待を目当てに買う人もいるだろう)でした。
次に、資金調達の方法(銀行から借りる、社債を発行する、株式を発行する)や、投資家と株や債券の発行体(企業等)を結ぶ証券会社の役割についての説明を聞きました。1994年の創業当時は赤字経営の書店だった「Amazon」が今では時価総額世界5位(2024年1月時点)の巨大企業に育った事例から「(当初)投資家が同社に投資した理由は何か」と平野課長が問いかけました。「今、投資しないと出遅れると思ったのではないか」「投資する側にも利益があると思わせるアピールをしたのではないか」などの学生からの意見はどれも肯定的に受け止めてもらえました。
さらに、平野課長は「かつてコーヒー豆をアジアからヨーロッパに運ぶ航海には大きな困難があったものの、17世紀初頭になるとアジアからのコーヒーを楽しむ文化がヨーロッパに広がった」という歴史を紹介。この事例にはどのような「株の力」があったかと問いかけました。学生からは「株の力で、丈夫で大きな船を造ることができて、必要なインフラ整備もできたのではないか」などと答えました。平野課長は「当時、航海によるアジアとの貿易は大きなリスクを伴ったが、株によってそのリスクの分散が可能になり、貿易が栄え、多くの人がアジアのコーヒーを楽しめた」と回答例を示し、「チャンスの拡大とリスクの分散による価値の拡大が世界を変える株の力」だと、まとめました。
最後に「どんな社会問題を『株の力』でどう解決するか。プランが実現すれば世界がどう変わるか」のテーマで議論しました。「海の汚染をなくすために、ごみを回収し、海水を浄化する装置を開発するのに投資してもらう」と答えたグループは「海がきれいになると魚が増えるので、漁業の生産性が増す。メリットの見込まれる漁業関係者に投資してもらえばいいのでは」と述べました。学生からは「海の汚染防止は投資家のイメージアップになる」との意見も出ました。
また、「介護問題で人手不足や低賃金を解決するために介護ロボットやリハビリの器具、機械開発に投資する」と答えたグループは「介護現場で働く人たちの負担を減らし、自分が介護される立場になったときは経済的負担を減らしてもらえる見返りがあるかもしれない」と述べました。
最後に平野課長が「素敵な提案をありがとうございました。株投資には世界を変える力があることを感じてもらえたらうれしいです」と締めくくりました。