経営学部の石賀和義教授が日本知的資産経営学会西日本部会でパネルディスカッションの座長を務めました
2024/05/14
日本知的資産経営学会西日本部会が3月16日、神戸三宮サテライトで開催され、経営学部の石賀和義教授がパネルディスカッションの座長を務めました。
まず、奥林康司神戸大学名誉教授が「最近の企業経営の変革:SDGSと純粋持ち株会社」と題して基調講演を行いました。続いて統一論題報告「ポストコロナにおける中小企業の価値創造~金融と内部管理と外部知見による共創~」に移り、石賀教授の進行で議論を展開しました。
パネリストの亀井芳郎氏(ひょうご専門人材相談センター 戦略マネ―ジャー)が「右腕人材プログラムの概要」について解説した後、秋元祥治氏(岡崎ビジネスサポートセンター チーフコーディネーター)が中小企業の隠れた強みを引き出し、売上の拡大を支援する「オカビスの活動実績」を説明しました。その後、企業支援のケーススタディーとして、半導体製造に関するプラスチック樹脂等の加工製造業を営む三田電気工業(神戸市西区)を支援した事例について議論しました。
具体的には、三田電気工業の中村哲也社長が、コロナ禍において、製品の納期に合わせた最適量の生産方式を導入することによる効率性の向上について説明しました。この支援策について、亀井氏が中小企業におけるコミュニケーションの分析と、その結果導き出された実効性のある支援策について解説した後、橘宏明氏(日新信用金庫 融資統括部ソリューション事業室長)が信用金庫と第三者機関の連携の必要性を力説し、井上能秀氏(兵庫県信用保証協会 経営支援部長)がアフターコロナで重要な役割を果たしている信用保証協会の関与について説明しました。最後に、石賀教授がアフターコロナでは、金融機関と専門家が連携を深めて中小企業を支援し、日本全体で中小企業の生産性向上を図ることが求められていると締めくくりました。
古賀智敏特別栄誉会長(同志社大学商学部特別客員教授・神戸大学名誉教授)から「今回の企業支援は、知的資産経営上、どのように評価するべきか」との質問が投げかけられ、パネリストからは「今回の企業支援は、中小企業の生産性を向上させることにより、企業価値を高める点で、知的資産経営そのものである」との回答がありました。また、伊藤和憲会長(専修大学教授)も「きめ細かい説明により、具体的かつ非常にわかりやすい事例研究の報告となった」と総括しました。
同学会は、世界の経済基盤が、産業経済から知識創造経済へ移行するなかで、知的資産経営を基軸とした企業の競争優位性の促進と経済の更なる活性化に貢献することを目的として2011年に設立されました。
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